日々の仕事の中で、部下がやる気を出してくれないといったお悩みはありませんか?上司の立場として、部下には全力で仕事に取り組んでもらい、チームの成果を上げたいですよね。様々なマネジメントの本や理論を見て、必死に部下のやる気を引き出そうとしているそこの貴方!
実は部下に成果を出してもらうのにやる気は関係ないんです。
この記事ではモチベーションマネジメントがダメな理由と、やる気に頼らず部下を管理する方法についてご紹介します。
目次
モチベーションマネジメントが失敗しやすいワケ
上司の立場としてはチームの成果を上げるべく、部下には全力で仕事に取り組んで欲しいですよね。
事実、上司も含めて社員は属する会社の一部として全力で仕事に取り組まなければいけません。
しかしながら、部下に全力で取り組んでもらう方法に苦しんでいるリーダーや管理職が非常に多いのが昨今の現状です。
そしてその苦しんでいるリーダーや管理職の方のほとんどは、部下を何とか動かそうと日々“餌”となる「モチベーション」を部下に与えてしまっているのです。
「いや、それのどこが悪いの?」
「部下にモチベーションを与えることは上司の仕事では?」
と思われた方、だから部下のマネジメントに苦しんでいるのです。
今回は上司がなぜ部下にモチベーションを与えてはいけないのか、そして正しい部下のモチベーション管理についてご説明致します。
与えるモチベーションは継続しない
モチベーションとはその名の通り「動機付け」であり、仕事をする上でパフォーマンスを発揮する為に重要な要素となるのは事実です。
しかし重要だから、もしくは必要だからといってこの動機付けを上司が部下に都度与えるアプローチをしてしまうと、次の2つの弊害が発生します。
それは「継続しない弊害」と「エスカレートする弊害」です。
まず「継続しない弊害」ですが、これは親が子供をあやすイメージが分かり易いかと思います。
例えば子供を泣き止ますために、はたまたお手伝いをさせる為に、子供が好きなおもちゃを使ったりしますよね。
しかしこの名付けて「おもちゃ作戦」を使用すると、作戦使用時は言うことを聞くのですが、使わないと言うことを聞かないことが多発します。
なので、常に使わないといけない状況になったりしますよね。これと同様のことが組織でも発生しているのです。
つまり上司が部下に動いてもらう為に、例えば「励ます」とか「インセンティブをちらつかせる」といったアプローチをすると、その一瞬は動きます。
しかし時間の経過とともに動きは鈍くなり、また何かしらの動機付けを与えないと動かなくなってしまう、つまり上司側が与えることをしない限り継続しないのです。
そしてもうひとつの「エスカレートする弊害」についてですが、まずそもそも人は欲求がエスカレートする生き物です。
今与えられたものでその瞬間は満足しても、時間の経過と共に更に高い満足を欲し、要求がエスカレートしていくのです。
なので、与えるモチベーションを続けていくと、必ずいつか(実際はかなり早い段階で)部下の欲求を満たす条件が不可能な壁に到達してしまい、モチベーションを与えることが出来ず、部下を動かせないというシナリオが発生します。
モチベーションを発生させる環境づくりが重要
では、与えるモチベーションは続かない、そして限界があるという弊害を理解した上で、どう管理すればよいのか、その方法についてご紹介します。
まず、モチベーションは部下自身の中から湧き出てくるのが本来あるべき姿です。
つまり自己設定するものということですが、ではどうすれば自己設定するようになるのか。
その答えは「成長」です。
人は成長を感じる中で、例えば「達成感」とか「有能感」を感じ、そして会社から評価を獲得し「昇給」とか「昇格」といったことが発生すると、またこれらを得たいと思うようになり、次のステージに向かって頑張るモチベーションを自身で発揮するようになります。
よって、いかに成長を感じることができる環境・仕組を設定するかが正しい部下のモチベーション管理なのです。
なお、この環境・仕組みづくりのポイントとしては次の2点に尽きます。
ひとつは「明確な結果設定」、もうひとつは「正しい評価制度」です。
目標達成時、つまり成果を出せた時に正しく「達成感」が味わえる、そして物質的な評価(昇給、昇格)を得ることができる状態をつくることです。
まとめ
今回は、上司が部下のモチベーションに直接関与してはいけない理由と正しいモチベーション管理方法についてご紹介をしました。
- 与えるモチベーションは続かない、そして限界が訪れ機能しなくなる。
- 正しいモチベーション管理は、部下が自己設定できるよう成長感を感じさせる「明確な結果設定」と「正しい評価制度」を整えること。
上司はモチベーションを直接与えるのではなく、部下に自己発生させる為の環境づくりまでを行うことが真の役割と言えます。
脱・悩みのモチベーションマネジメントに向けて、是非役取り組んでみて下さい。