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マネジメントを学びたい人におすすめの本20選

企業において、社員の適切なマネジメントは経営の要ともいえる重要事項です。

企業がどれだけ優秀な人材を抱えていても、マネジメントが適切になされなければ成果を出すことはできません。逆に経営層だけでなく、各部署の管理職、チームのマネージャーがマネジメントについてきちんと理解し、実践する方法を知っていれば、特定の人材の能力に頼らずに結果を出し続けることが可能になるでしょう。

しかし、

・「マネジメントが大切なのはわかるけど、何から始めればよいかがわからない」

 

・「マネジメントの改善に取り組みたいが、教えを乞える人が身近に存在しない」

 

・「マネジメントについての本を読んではみたが、初心者の自分にはピンとこない」

 

という悩みを抱える人も少なくありません。

そこで本記事では、マネジメントについて学ぶための本20冊を厳選し、「初級者」「中級者」「上級者(経験者)」の3ステップに加え、「マネジメントに行き詰まっている人」、さらに「セルフマネジメントを学びたい人」の合計5パターンに分けて解説していきます。

これからマネジメントについて学びたい人、管理職として試行錯誤中の人、さらに現在マネジメントに行き詰まっている人も、以下のリストから役立つ1冊を見つけられることでしょう。

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目次

マネジメント初心者向け~そもそもマネジメントって?

まずはマネジメント初心者向けの4冊をご紹介します。基本を理解することで、マネジメントがなぜ大切なのかが分かり、具体的なイメージを持てるようになります。

1.もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

2.実行力 結果を出す「仕組み」の作りかた

3.道をひらく

4.パーパス・マネジメントー社員の幸せを大切にする経営

 

それでは1冊ずつ解説していきます。

1.もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

2009年に発行されて以来、300万部を超えるベストセラーとなった一冊。著者は岩崎夏海氏です。彼はAKB48をプロデュースしていた秋元康氏のもとで仕事をしていた頃、ビジネスでは当たり前である「マネジメント」の手法が必要な人たちにきちんと伝えられていないと感じ、本書の企画を思いついたといいます。

その内容は、弱小高校野球チームを「甲子園に連れていく」と決めた女子マネージャーが、世界で一番読まれた経営学書ドラッカーの『マネジメント』の理論をもとに奮闘する物語。マネジメントについての理解がゼロの人でも、この物語を通じてマネジメントの考え方の基礎に触れ、理解することができます。

2.実行力 結果を出す「仕組み」の作りかた

著者はテレビでもおなじみの橋下徹氏。38歳で大阪府知事に就任し、大阪府庁1万人、大阪市役所3万8千人からなる巨大組織を動かしてきたマネジメント力に迫ります。

彼のやり方については賛否両論あるものの、実際に改革を成し遂げてきたことは事実。それだけに本書は単なる抽象論ではなく、地に足のついた説得力のある言葉であふれており、非常に啓発的です。

本書のタイトルに含まれている「仕組み」を作ることこそがマネジメントの本質といってよいのかもしれません。

3.道をひらく

著者はいわずと知れた経営の神様、パナソニックグループ(旧松下電気産業)創設者である松下幸之助氏。そんな彼が自分の体験や人生に対する考察に基づき綴ったエッセイ集です。本書の初版は1968年ですから、すでに50年以上読み継がれているロングセラーであり、その累計発行部数は553万部を突破しています。

本書はマネジメントについて体系的に解説したものではありませんが、経営者のマインドに触れられる貴重な書です。理論やデータも大切ですが、マネジメントの基本とは結局のところ「ヒト」なのだなと気づかされる1冊です。

4.パーパス・マネジメントー社員の幸せを大切にする経営

働き方改革やコロナ禍で私たちの働き方は大きく変化し、企業側もワーク・ライフバランスや健康経営などを通じて、社員のウェルビーイング実現に注力するようになっています。

本書は、企業はミッションやビジョンではなく、パーパス(存在意義)を大切にマネジメントすべきであるという考え方に基づいています。

著者は、経営者やビジネスリーダー向けのエグゼクティブコーチングなどを手がける丹羽真理氏。組織と個人のパーパスが一致するとき、企業の業績は向上し、社員は幸せを感じ、レジリエンス(心の回復力)も向上するとのこと。強い組織をつくるためのマネジメントについて学べます。

 

マネジメント中級者向け~マネジメントを体系的に理解したい

 

マネジメントについてある程度の理解や見識を持ち、チームリーダーやプロジェクトリーダーとして実際に少人数のメンバーのマネジメントをしている人ならば、次の4冊がおすすめです。今後のキャリアを考えてマネジメントについてちゃんと理解しておきたい人にとって必読の本ばかりです。

 

1.マネジメント(エッセンシャル版)

2.ビジョナリー・カンパニー2ー飛躍の法則

3.プロフェッショナルマネジャー

4.世界標準の経営理論

 

1.マネジメント(エッセンシャル版)

経営やマネジメントについて論じると必ずといっていいほど言及されるP.F.ドラッカー。彼の大著『マネジメントー課題・責任・実践』のエッセンスをまとめたのが本書です。

本書ではマネジメントの原理・原則がまとめられていますが、マネジメント職を全く経験したことがない初心者の人にとってはやや「腹落ち」が難しい内容かもしれません。

しかし、現場でのマネジメント経験があり、そのプロセスにおいて問題意識を抱えてきた人にとっては「目から鱗」の1冊になるでしょう。日々のビジネスのなかで発生する課題を解決するためには、付け焼刃の対応ではなく体系的なアプローチが必要なことを気づかせてくれる1冊です。

 

2.ビジョナリー・カンパニー2ー飛躍の法則

著者のジム・コリンズはドラッカーの後継者ともいわれる人物で、米コロラド州の研究ラボを拠点に四半世紀以上にわたって、成功した企業や経営者を研究しています。

彼の主な著作は「ビジョナリー・カンパニー」シリーズ、その累計発行部数は1,000万部を超えます。そのシリーズのひとつである本書は、彼が全米1453社の中から飛躍的に成功した11社を選び、そこに共通する特徴を分析したものです。

本書の中核をなす考え方は「最も重要な指標は売上高でも利益ではなく、人材」ということ。本書を通じてマネジメントの本質を学べるはずです。

 

3.プロフェッショナルマネジャー

株式会社ファーストリテイリング会長兼CEOである柳井正氏が「自分の経営の教科書」と呼んだ1冊です。

著者は、アメリカの巨大コングロマリットの最高責任者として58四半期連続増益を成し遂げたハロルド・ジェニーン。本書は彼が自分自身のストーリーを語りながら、その背後に見える経営の原則について解説しています。

その基本的な考え方は「ビジネスの経営は現実的な目的を定めること」「そこに到達するためになすべきことをできるだけ早く始めること」。きっと示唆に富む1冊になることでしょう。

 

4.世界標準の経営理論

著者の入山 章栄氏は、早稲田大学大学院経営管理研究科の教授。本書は世界で標準になっている経営理論を網羅的、体系的に分かりやすくまとめあげた力作です。

取り挙げられている理論は30、テーマはリーダーシップ、モチベーション、認知バイアス、意思決定、組織エコロジーなど多岐に渡り、ページ数は1,000ページを超えます。

最初から最後まで通読するのもよいですが、参考書として自分が気になる分野から読んでみるのもよいでしょう。

マネジメント上級者(経験者)向け〜マネジメントをどう実践するのか?

マネジメントは単なる学問ではないため、概念や体系を理解しただけで取得できるものではあり得ません。実践なくしては結実もないのです。

ここからは、既に管理職やマネージャーとしてマネジメントに携わっている人がマネジメントを実践していく上で役立つ4冊をご紹介します。

 

1.イノベーションの再現性を高める 新規事業開発マネジメント~不確実性をコントロールする戦略・組織・実行

2.3分間コーチ ひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術

3.新版 はじめての課長の教科書

4.リモートマネジメントの教科書

 

1.イノベーションの再現性を高める 新規事業開発マネジメント~不確実性をコントロールする戦略・組織・実行

本書は実際に数々の新規事業開発や組織改革を支援してきた北嶋貴朗氏によるもの。自身の失敗及び成功体験から得られた知見を余すところなく紹介し、継続的に成果を生み出す組織づくりの手法について解説しています。

国内企業のマネジメントで特に注目されている分野の1つが「新規事業開発」や「イノベーション」です。大企業ではすでにマネジメントの仕組みが確立されていますが、いわゆるベンチャー企業のマネジメントは「ゼロからイチ」を作り出し、組織のカルチャーを形作っていかなければなりません。それだけに真のマネジメント力が試されるフィールドといえるでしょう。

2.3分間コーチ ひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術

コーチングの第一人者として知られる伊藤守氏による人材マネジメントの実践方法が紹介されています。

その手法とは1日3分だけ部下のことを考え、1日3分だけ部下と話すというもの。そのような短い会話を続けることで部下のセルフトークを促し、こまやかなマネジメントを可能にし、仕事の成果と部下育成の両立が実現できるのです。

物事を実践する上で大切なことはハードルを下げることですが、本書に書かれていることは忙しいマネージャーや管理職でもすぐにやってみたいと思えるアイディアばかりです。

 

3.新版 はじめての課長の教科書

筆者の酒井穣氏は株式会社 BOLBOPの代表取締役であり、本書は2008年に出版された旧版『はじめての課長の教科書』に、大幅な加筆・修正を施した新版となります。

一言で「マネジメント」といっても、その概念は幅広く、マネジメントを解説する書籍も経営者層を対象にしたものが多いのが現状です。

またドラッカーやジム・コリンズの本はマネジメント理論としては役立つものの、日本独特のミドルマネジメントにはしっくりこないところもあります。

この本は「世界初の中間管理職の入門書」として、日本の中間管理職の現状を踏まえ、これまでは実体験からしか学べなかった中間管理職固有のスキルを体系的にまとめた本として定評があります。

 

4.リモートマネジメントの教科書

コロナ禍で導入が進んだリモートワーク。アフターコロナでもニューノーマルとして定着が進むと考えられるリモート時代のマネジメントについて取り上げた本です。

リモートワークでは社員が孤軍奮闘状態になりやすく、会社に対するエンゲージメント向上が難しいという課題があります。

筆者の武藤久美子氏は、組織・人事のコンサルタントとしてこれまで150社以上を担当してきた経験を踏まえ、「3つの『こ』」、つまり「個として立つ」「心の距離が近い」「ここがいい」という状態に社員が到達できるように支援することが「リモートマネジメント」であるとし、そのための具体的な方法を提示しています。

 

すべての管理職、経営層向け~マネジメントで行き詰まっている人に

ここからは、現在管理職や経営者としてマネジメントに携わっているものの、何らかの問題や行き詰まりを感じている方に向けた4冊をご紹介していきます。

1.最軽量のマネジメント

2.問題社員の正しい辞めさせ方

3.心理的安全性のつくりかた

4.新 コーチングが人を活かす

 

1.最軽量のマネジメント

サイボウズといえば今や働き方改革のリーディングカンパニーとして知られています。しかし2005年当時は、社員の離職率28%のブラック企業でした。

この本は、2005年当時からサイボウズの経営層としてマネジメントに関わってきた山田理氏によるもの。「成果至上主義のマネジメントでは社員がついてこない」、そんな悩みを抱えている方は必読です。

 

2.問題社員の正しい辞めさせ方

筆者は「働き方改革推進による労働環境改善支援」と、「ブラック企業/ブラックユニオン相手のこじれたトラブル解決」の専門家である新田龍氏。

社員のマネジメントには問題社員への対応も含まれます。10人のチームで9人が一生懸命やっていても1人の問題社員がいるとチームがかき乱され、業績に影響が及ぶことも。

この本のタイトルは「正しい辞めさせ方」とありますが、真のテーマは問題社員とどのように丁寧にコミュニケーションをとり、本人に気付きを与え、行動改善を促せるかということ。今、問題社員のマネジメントに行き詰っている人ならば、きっと具体的な示唆を得られるでしょう。

 

3.心理的安全性のつくりかた

「心理的安全性」。それはチームの誰もが不安を感じることなく、自分の考えや気持ちを率直に発言できる状態のことです。Googleの実証実験である「プロジェクトアリストテレス」においても、チームの生産性を向上させるための最重要要素と位置づけられています。

著者である石井遼介氏は、ZENTech株式会社のチーフサイエンティスト。本書では日本における心理的安全性を「話しやすさ」「助け合い」「挑戦」「新奇歓迎」と定義づけ、チームビルディングのための具体的方法を教示しています。

 

4.新 コーチングが人を活かす

「コーチング」とは社員の自発的行動を促すコミュニケーション方法のこと。本署の著者は、日本におけるコーチング理論の第一人者である石井遼介氏。

「コーチング」に関する本はいまやたくさんありますが、本書は今から約20年前に発行された「コーチング」の教科書ともいうべき本です。豊富な事例を通じて、具体的なスキルを身に付けることができるでしょう。

すべてのマネジメントを志す人向け~セルフマネジメントを学ぶ

マネジメントは部下やチームだけを対象にしたものではありません。むしろ、他者をマネジメントする前に身につけなければならないことは、セルフマネジメントです。そのために役立つ4冊の本をご紹介します。

 

1.ドラッカー・スクールのセルフマネジメント教室

2.エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする

3.仕事を高速化する「時間割」の作り方

4.やる気が上がる8つのスイッチ

 

1.ドラッカー・スクールのセルフマネジメント教室

ドラッカーは「まず自分をマネジメントできなければ、他者をマネジメントすることはできない」と述べました。しかし、自分をマネジメントすることに難しさを感じている人も多いのではないでしょうか。

この本で強調されている考え方は「人生は瞬間の連続であり、自分をマネジメントするには特定の瞬間にいつもとは違った行動をとる」ということです。

著者であるジェレミー・ハンター氏は、ドラッカー・スクールの准教授。その彼が実例を交えながらセルフマネジメントの方法について丁寧に解説しています。

 

2.エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする

セルフマネジメントとは「自分の時間をマネジメントすること」と言い換えてもよいでしょう。誰もが平等に持っている1日24時間という限りある時間をどう用いるかは1人1人の価値観と切っても切れない問題になります。

著者であるグレッグ・マキューン氏は、Apple、Google、Meta、Twitterのアドバイザーを務めています。本書は単なるタイムマネジメントの教科書ではなく、「より良く生きる」ために自分にとって一番大切なものを見極める本質的なアプローチを提供してくれます。

 

3.仕事を高速化する「時間割」の作り方

本書のコンセプトは、学校に通う子どもたちと同様に、大人にも「時間割」があれば仕事の効率は格段に向上するというもの。

リモートワークの導入に伴って仕事のマネジメントが個人にゆだねられるようになった会社も多いと思います。家でついついダラダラ働いてしまう。こんな人に役立つアイディアが満載です。

 

4.やる気が上がる8つのスイッチ

本書はモチベーションアップにおいて万人に共通する方法はないとし、人を8つのタイプに分け、それぞれに適した方法があると説いています。

著者はモチベーションと目標達成分野の第一人者であり、 コロンビア大学ビジネススクールで教鞭を取っているハイディ・グラント・ハルバーソン。コンパクトな本ですが、科学的知見に基づいており、すぐに試したくなるアイディアを提供してくれています。

まとめ

本記事では、理解度や経験に合わせてマネジメントが学べる20冊の本をご紹介しました。

このリストを活用すれば、誰もが自分をマネジメントすることから始まり、強いチーム、企業づくりに貢献できるようになることでしょう。

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