突然ですが、このようなことを感じてはいませんか?
- 「新卒採用をするメリット・デメリットってなに?」
- 「中途採用とはどのように異なるの?」
本記事では新卒採用や中途採用を行うメリット・デメリットや新卒採用が適している企業について解説していきます。
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新卒採用とは
新卒採用とは、正社員として雇われたことがない、高校もしくは大学の卒業が見込まれている学生を採用することですが、一般的には「大学卒が見込まれている人を採用すること」を指します。
卒業・修了年度の春から秋の間に選考して、卒業したあとの4月に入社してもらうことを目指して一括で進めるのが一般的です。
また、特定の人材が必要になった際に採用する「中途採用」とは異なり、毎年同じ手順で一定の人数を採用することが新卒採用の特徴となります。
新卒採用では就労経験がない人を雇うため、雇った後に仕事に必要な知識や技術を教えるコストはかかりますが、新卒採用には数々のメリットがあります。
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新卒採用は大きなコストが伴いますが、多くの企業が新卒採用を実施しています。なぜ、手間と費用をかけてまで新卒採用を行うのでしょうか? その理由は、下記のようなメリットがあるからです。
- 幹部候補となる優れた人材の確保
- 企業文化を引き継げる
- 決まったスケジュールにより選考に時間をかけられる
- 育成がしやすい
- 定着率が高い
- 中小企業でも優れた人材を採用しやすい
- 一人あたりの採用コストが低い
それでは1つずつ解説していきます。
幹部候補となる優れた人材の確保
まず最も大きなメリットは、幹部候補となる優れた人材の確保がしやすいことです。
新卒採用は毎年およそ45万人もの学生が就職活動を始めるので、中途採用と比較して規模が大きく、優れた人材を得られる可能性が高くなります。
また新卒採用の場合は、若くて就労経験がないため、適切な育成をすることで自社にとって望ましい人材にすることが可能です。
対して、中途採用の場合は良くも悪くも一定の経験があるため、こだわりがあったり勤務地に制約がある可能性が少なくありません。さらに前の職場の慣習が抜けきらずに、自社に馴染めない可能性もあるでしょう。
対して新卒採用であれば、もともと自社に関心があり、自社の文化にも理解がある人材である可能性が高いため、自社のビジョンにマッチした人材として育成しやすいメリットがあります。
企業文化を引き継げる
続いてのメリットは、自社の企業文化やカルチャーを引き継ぐことができる点です。
上記でも触れたように、中途採用で採用する人材であれば以前の職場の習慣やこだわりが抜けきらず、自社の文化やカルチャーに摩擦が生じる可能性があり、その結果退職するケースも少なくありません。
ですが新卒採用で入社した人材の場合は、初めて働く会社ということもあり愛社精神や会社に対するエンゲージメントを高めやすくなります。これにより、自社の企業文化やビジョンを受け入れやすく、より高いパフォーマンスを発揮してくれるでしょう。
決まったスケジュールにより選考に時間をかけられる
新卒採用の場合、企業・学生ともに下記のような共通認識がすでに出来上がっています。
- 広報:卒業・修了年度に入る前の3月1日以降
- 選考:卒業・修了年度の6月1日以降
- 内定:卒業・修了年度の10月1日以降
- 入社:卒業・修了後の4月以降
したがって、4月入社を目指したスケジュールを組みやすく、一度に一定数の人材を獲得できるメリットがあります。
また、スケジュールを組めるということは、書類選考や面接といった選考に時間をかけてじっくり進められるというメリットにつながります。
育成がしやすい
スケジュールが決まっており、一度に一定数の人材を採用することで、育成がしやすくなるというメリットもあります。採用した人数が20人でも200人だとしても、一度にまとめて研修を行えるため効率的に進められるのです。
対して中途採用であれば、人材が必要になる度にコストがかかり、毎回研修も必要になるため非効率的です。
また、新卒採用で一括で研修を行うことで、上記で解説した企業文化の引き継ぎがしやすくなるというメリットにもつながります。
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一般的に、新卒採用で入社した人材のほうが定着率が高いとされています。
実際に、エン・ジャパン株式会社が行った「中途入社者の定着」実態調査では、アンケートに答えた693社のうちおよそ4割が「中途入社者の定着率が低い」と回答しています。
やはり新卒採用の場合は、修了経験がなくまっさらの状態のため、自社の企業文化やカルチャーに馴染みやすく、また会社への愛着も湧きやすいため定着率が高いのかもしれません。
(参考:「中途入社者の定着」実態調査 ―『人事のミカタ』アンケート―│エン・ジャパン)
中小企業でも優れた人材を採用しやすい
新卒採用は中小企業にとって非常に重要な意味を持ちます。なぜなら、新卒採用は中小企業でも優れた人材を採用できる可能性が高いからです。
中途採用よりも新卒採用のほうがマーケットが大きい、という理由もありますが、一般的に優れた人材は企業にとっても辞められると困るためそう簡単には退職しません。
したがって、中途採用マーケットにそもそも現れない可能性が高いのです。
もし、優れた人材が中途採用マーケットに現れたとしても、近年は人手不足が深刻化しているため激しい争奪戦になるでしょう。さらに、リソースが潤沢にある大企業のほうが圧倒的に有利となります。
したがって、マーケットの大きい新卒採用の方が、認知度が低い中小企業にとっては千載一遇のチャンスなのです。
一人あたりの採用コストが低い
そして最後のメリットが、一人あたりの採用コストが低いことです。
人材を採用するのは手間や時間、そしてお金などのコストをかけて行われますが、採用後の育成やミスマッチのリスクを考えるとあまり大きなコストはかけられません。そこで、コストを抑えるために有効な手段が新卒採用となります。
新卒採用では、毎年同じ時期に一括して採用するため、一人あたりの採用コストを低くおさえられるのです。注意点としては就労経験のない学生のポテンシャルを見極めなければならない点ですが、うまくいけば優れた人材を低コストで獲得できる好機となります。
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新卒社員の自立のため、人材採用において注意したいこと注意するべき新卒採用のデメリット
上記で見てきた通り、新卒採用には数多くのメリットがあり、実際に多くの企業が毎年新卒採用を行っています。とはいえ、新卒採用には下記のようなデメリットも存在することに注意しなければなりません。
- 業績に貢献するまでの育成コストが高い
- 採用までの期間が長い
- 景気に左右される
- 多くの新入社員を受け入れる準備が必要
- ミスマッチが生じる可能性が高い
それでは1つずつ解説していきます。
業績に貢献するまでの育成コストが高い
新卒採用のデメリット1つ目は、入社してから業績に貢献するまでの育成コストが高いことです。
就労経験のない学生なので、すぐに業績に貢献できるような仕事は期待できません。
貢献できるようになるまでに研修や育成を行う必要があるため、時間やお金といったコストが高くつくことがデメリットとして挙げられます。一般的には、戦力として使えるようになるには半年から1年ほどの期間が必要とされています。
対して中途採用であれば、即戦力としてすぐに活躍してくれるため、状況に応じて使い分けることが重要です。
採用までの期間が長い
続いてのデメリットは、選考が長引き、実際に入社するまでの期間が長くなることです。
先程は「選考にじっくり時間をかけられる」というメリットを挙げましたが、裏を返せば、それだけ時間がかかるということでもなります。
自社に相応しい人材やポテンシャルを見極めるためには、時間をかけて何度も面接を行う必要があるため、必然的に時間がかかってしまうことは仕方ありません。
しかし、あまり時間をかけすぎると優秀な人材ほど、選考途中で他の企業にとられてしまう可能性が高くなってしまいますので、注意が必要です。
景気に左右される
新卒採用は、景気に影響を受けやすい点もデメリットです。
景気が悪くなると、一般的に多くの学生は安定を求めて大企業に殺到する傾向があり、認知度の低い中小企業に来る人が減ってしまいます。また、景気が悪ければ採用イベントや求人に投資することが難しくなるといった点にも注意する必要があります。
また、景気だけではなく自然災害や企業不祥事の影響も受けるため、毎年安定した人数を採用できるとは限りません。外部要因に影響を受けやすいため、新卒採用をする際は長期的な視点で進める必要があるでしょう。
多くの新入社員を受け入れる準備が必要
新卒採用は一括して一定数の人数を採用できる点が特徴ですが、その一方で、企業には毎年一定数の新卒採用を受け入れる準備をしなければなりません。
一度にまとまった人数が入社してくるため、それぞれの育成を担当する人を決めたり、研修の準備など、さまざまなフォローが求められます。
ミスマッチが生じる可能性が高い
新卒採用のメリットは、就労経験がない人を採用できる点にあります。
しかし、就労経験がないということは、人生で初となる仕事ということです。学生であればアルバイト経験はあるかもしれませんが、実際に会社に雇われて働くということはアルバイトとはまるで異なります。
したがって、「会社で働く」ということに対するイメージが曖昧だったり、実際の仕事に対する理解が不足している可能性が高く、結果的にミスマッチが起こるケースは少なくありません。
中途採用者であれば自身の経験から、入社前にどのようなことを聞けば自身の望む働き方ができるかわかりますが、就労経験がない新卒採用者の場合は、そもそも何を聞けば良いのかすらわからないのです。
中途採用のメリット・デメリットとは
それでは次に、規模の小さな企業や創業したばかりの企業が主に行っている中途採用のメリット・デメリットを見ていきましょう。
中途採用のメリット
中途採用のメリットは下記のようなものが挙げられます。
即戦力として活躍が期待できる
まず、中途採用の最も大きなメリットは、即戦力としてすぐに活躍してくれる可能性が高い点です。
新卒採用では戦力として使えるようになるまでに半年から1年ほど育成や研修が必要になりますが、中途採用の場合は既に経験があるためすぐに活躍してくれるでしょう。
また、中途採用者の場合はある程度の就労経験があるため、仕事に関する知識やビジネスマナーなどを手取り足取り教える必要がなく、育成や研修にかかるコストが低く抑えられます。
短期間で採用できる
新卒採用では選考にじっくり時間をかけて行いますが、その分だけまとまった期間が必要になります。一方で中途採用の場合は、募集から採用まで数ヶ月、短ければ数週間で済ませることができます。
これにより、従業員が突然辞めたりすることで起こる人手不足に対応できるという点がメリットです。
中途採用のデメリット
中途採用は下記のようなデメリットもあるため、把握しておきましょう。
企業文化やカルチャーに馴染めない可能性がある
中途採用の場合は、就労経験がある人材を採用することになるので、以前の職場の文化や働き方と、入社した企業の文化や方針にギャップを感じて馴染めない可能性があります。
これにより、すぐに退職してしまうケースも少なくありません。
また、企業文化や方針に関わらず、転職を何度もする人もいます。このような人は仕事に対してこだわりや熱意がないため、他の従業員に悪い影響を与える可能性もあるのです。
若い人材が不足する
中途採用者の場合、採用する人材はある程度のキャリアや実績を積んでいる人を採用することになるため、採用する人材の年齢層は必然的に高くなってしまいます。
目的に応じて新卒採用と中途採用を使い分けているのであれば問題ありませんが、計画や目的を考えずに中途採用をしていると、「気がついたら若い人材がいなくなっていた」ということになりかねません。
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中途採用で即戦力を獲得するための環境整備とは?新卒採用に適している企業とは
上記で解説してきたように、新卒採用と中途採用にはそれぞれメリットとデメリットがあります。したがって、目的や企業の状況に合わせて採用方法を適切に使い分けていくことが求められます。
例えば、企業文化やカルチャーを育み、浸透させていきたい企業は新卒採用に適している企業と言えるでしょう。企業文化は組織をまとめあげ、従業員を望む方向に導くことができますが、中途採用者よりも新卒採用者の方がより浸透させやすいことがその理由です。
また、従業員のモチベーションや意欲を向上させたい企業も新卒採用が適しています。
なぜなら、新卒採用者は「いち早く一人前にならなければならなければ」という意識が強く、仕事に対して前向きな姿勢で取り組むため、その姿に周囲の従業員が感化されてモチベーションが向上する可能性が高いからです。
まとめ
ここまで、新卒採用と中途企業との違いやメリット・デメリットを見てきました。
新卒採用には一人あたりの採用コストが低いことや、新入社員の育成がしやすいこと、定着率が高いことがなどいくつも挙げられます。ただ、その一方で業績に貢献できるまでにかかる育成コストが高いことや、ミスマッチが生じる可能性が高いデメリットもあります。
こうしたメリット・デメリットを見極めて、自社に最適な採用方法を検討することが重要といえるでしょう。
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