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社員の86.0%が「労うなら、忘年会よりボーナス」を希望
「識学」を使った経営・組織コンサルティングや従業員向け研修を展開する株式会社識学(本社:東京都品川区、代表取締役社長:安藤広大)は、2021年11月15日(月)~16日(火)「会社の忘年会に関する調査」を行いました。
その結果、社長は社員を労うために忘年会を開催したいと考えている方が多数いること、一方社員の半数以上は忘年会などの「会社の飲み会」を「プライベートの時間がほしい」、「気を遣うのがしんどい」などといった理由でムダだと考えていることがわかりました。
調査背景
コロナ以前は師走の風物詩の一つであった会社の忘年会。日頃お世話になっている上司・部下と1年を振り返ってお互いに感謝や労いの言葉を交わしたり、普段あまり話すことのない社員と親睦を深めたりする会です。
経営者の中には、1年に1度くらい社員と無礼講で会話し、来年も皆で頑張ろうと士気を高める機会と考える方もいるかもしれません。
昨年末は新型コロナウイルス感染症の影響で、忘年会を開催できなかった企業も多く、今年は緊急事態宣言、飲食店の営業時間短縮などの要請が解除されたことから、今年こそはと忘年会の開催を考えている方もいるのではないでしょうか。
一方で社員の中には実は飲み会が苦手だったり、感染症も心配であまり前向きに参加する気になれなかったりする方もいるでしょう。
忘年会を開催するかどうか、迷っている企業も多いかもしれません。
そこで今回、会社の忘年会などの飲み会について、今年の開催予定、参加意向などを聞き、社長・社員がそれぞれどのように考えているのかを調査しました。
報道の一資料として、是非ご活用ください。
調査概要
調査対象:全国の従業員数5人以上300人未満の企業に勤める20歳~59歳(経営者20歳~69歳)の男女で、自社の飲み会や飲食を伴う会社行事に参加したことがある方
有効回答数:300サンプル(男性242人・女性58人、経営者(社長)100人、会社員200人)
調査期間:2021年11月15日(月)~11月16日(火)
調査方法:インターネット調査
調査結果トピックス
- 会社の忘年会 社長は開催したいが約6割、理由は「社員を労いたいから」が72.1%。
- 社員の忘年会参加意向、管理職は約6割が忘年会に参加したいと回答。一方、一般社員は「参加したいと思わない」が約6割という結果に。
- 忘年会などの会社の飲み会について、社員は半数以上がムダだと回答
- 会社の飲み会で社長の印象が悪くなったエピソード…「愚痴る」、「悪酔いして社員に説教」
- 会社が1年の労をねぎらってくれるなら忘年会よりもボーナスと回答、86%
Q1. あなたがお勤めの会社では、今年忘年会を行う予定はありますか。(単数回答、n=300)
自社で今年、忘年会を予定しているか聞いたところ「開催が決まっている」13.3%、「開催する方向で計画中」10.3%、「開催するかどうか決まっていない」20.3%、「開催しない」42.7%、「わからない」13.3%でした。
緊急事態宣言と飲食店の営業時間短縮などの要請が解除される中にあっても、新型コロナウイルス感染症の防止対策として、忘年会の開催を控える企業が多いのでしょうか。
Q2. 今年、会社の社員と一緒に忘年会を開催したいと思いますか。(単数回答、n=100)
社長に実際の開催有無に関わらず、今年、会社の社員と一緒に忘年会を開催したいと思うか聞いたところ「そう思う」が35.0%、「ややそう思う」が26.0%、「あまりそう思わない」が23.0%、「そう思わない」が16.0%という結果になり、約6割の社長が社員と忘年会をやりたいと考えていることがわかりました。
Q3. 今年、会社の社員と一緒に忘年会を開催したいと思う理由をお答えください。(複数回答、n=61)
Q2で会社の社員と忘年会を開催したいと回答した社長に理由を聞くと、「社員を労いたいから」が72.1%と最も回答が多く、次いで「社員と交流したいから」が49.2%、「親睦を深めチームワークを良くしたいから」が44.3%でした。
TOP3の回答を見ると、社員に感謝し交流したい社長の気持ちがうかがえ、人情的な社長が多いのかもしれません。
Q4. 今年、会社で忘年会が開催されたら参加したいと思いますか(単数回答、n=200)
社員に今年、会社で忘年会が開催されたら参加したいと思うか聞いたところ、管理職は「そう思う」25.0%、「ややそう思う」32.0%、「あまりそう思わない」27.0%、「そう思わない」16.0%で、約6割の方が忘年会に参加したいと考えていることがわかりました。
また、一般社員は「そう思う」19.0%、「ややそう思う」22.0%、「あまりそう思わない」30.0%、「そう思わない」29.0%で参加したいと思わない方が約6割いることが明らかになりました。
管理職は、上司・部下など、様々な関係者とコミュニケーションを取ることから、忘年会で親睦を深めたいと考えているのでしょうか。
Q5. あなたは忘年会などの「会社の飲み会」をムダだと思いますか。(単数回答、n=300)
忘年会などの「会社の飲み会」をムダだと思うか聞いたところ、社長は「そう思わない」が43.0%「あまりそう思わない」が38.0%と8割以上の方が忘年会などの「会社の飲み会」をムダではないと考えていることがわかりました。
一方、社員は「ややそう思う」が28.0%、「そう思う」が25.0%と半数以上が「会社の飲み会」をムダだと思うと回答しました。
Q6. 忘年会などの「会社の飲み会」をムダだと思う理由をお答えください。(複数回答、n=125)
Q5で忘年会などの「会社の飲み会」をムダだと思うと回答した方に理由を聞いたところ、全体の回答割合の高い順に「飲み会よりプライベートの時間がほしいから」68.8%「気を遣うのがしんどいから」55.2%、「出席するメリットがないから」40.0%となりました。
役職別にみると管理職は「社員が実費で支払わなければならないから」の回答割合が30.2%と他の役職よりも高く、部下や後輩に奢らなければならないと義務感やプレッシャーを感じているのかもしれません。
また、一般社員では「飲み会よりプライベートの時間がほしいから」が81.1%と最も割合が高く、会社の飲み会に参加する時間をムダだと考えていることがうかがえます。
Q7. 会社の飲み会で自社の社長の印象が悪くなった経験がありますか。(単数回答、n=200)
また自社の社長の印象が「悪くなった」エピソードをお答えください。(自由回答、n=200)
【社長の印象が悪くなったエピソード】
- 仕事の話ばかりで面白くなかった、またお金に対してケチだった。(52歳 女性/管理職)
- 愚痴しか言わない。(26歳 男性/管理職)
- 悪酔いをして社員への説教が始まった。(45歳 男性/管理職)
- 酔っぱらって社員と喧嘩をしていた。みっともない。(42歳 女性/一般社員)
- セクハラ・自慢話・武勇伝語りをした上、割り勘させられた。(33歳 男性/一般社員)
- 社員を駒としか思っていない発言をしていた。(58歳 男性/管理職)
- 従業員全員が社長にビールを注いで、一言二言喋るしきたり。(33歳 男性/一般社員)
- 前日には5万円出すと言っていたのに、お金を置いて先に帰り、封を開けてみたら3万円しか入っていなかった。(38歳 男性/管理職)
会社の飲み会で自社の社長の印象が悪くなった経験があるか聞いたところ「ある」と回答した方が26.5%と4人に1人の方が社長の印象が悪くなった経験があることがわかりました。
また、印象が悪くなったエピソードを聞いたところ、お酒の席で悪酔いして社員と喧嘩したり、自慢話・武勇伝を語ったり、社員の前で失態を演じたことで、印象が悪くなってしまったケースが見受けられました。
Q9. あなたは会社が1年の労をねぎらってくれるなら、忘年会とその費用をボーナスとして支給されるのと比べて、どちらがいいですか。(単数回答、n=200)
【社長の印象が良くなったエピソード】
- 酒を飲めない社長なので、社長はシラフのままお酒を飲んだ社員を家の近くまで送ってくれた。
(36歳 女性/一般社員) - 理詰めの社長だと思っていたが、素は意外と情熱的で会社や社員の将来を心配してくれていることがわかった。(42歳 男性/管理職)
- 社長が一人一人にお酒を注ぎに回って、声をかけていた。(40歳 女性/管理職)
- 社長が自ら盛り上げようとしている。(56歳 女性/管理職)
- 会社への思い入れ、普段聞けない考えを知れたから。(27歳 女性/一般社員)
- 二次会の費用を置いて帰った。(55歳 男性/管理職)
- 労いの言葉をかけてくれた。(31歳 女性/管理職)
会社の飲み会で、社長が“上座でふんぞり返ってお酌待ち”では、就業時間以外に社員の仕事を増やしているだけです。
普段は言わないような社員を労う言葉をかけるなど、ある程度気の利いたコミュニケーションや対応をすることで印象が良くなる傾向にあるようです。
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<例>「株式会社識学が実施した調査結果によると……」
飲み会で社員のモチベーションは上がらない!飲み会の開催には、組織活動に支障が出ないよう”注意”が必要
飲み会でモチベーションが上がるのは一部の社員だけ?
本調査において、社長の約6割が忘年会を開催したいと考える一方で、一般社員の約6割は忘年会に参加したいとは思っていないことがわかりました。
忘年会で社員を労うことで、社員は喜ぶだろうと考える社長が多い一方で、実際には、それを求めていない一般社員の方が多いのかもしれません。
モチベーションの源泉は人それぞれ
忘年会をムダだと思う理由で最も多かったのは、「飲み会よりもプライベートの時間が欲しいから」という回答でした。
また、86%の社員が忘年会を開催するよりも、その費用をボーナスとしてもらう方がよいと回答しました。忘年会を楽しみにしている社員が一定数いる一方で、プライベートの充実に対して、よりモチベーションを感じる人が多い傾向がわかります。
一般的に、忘年会などの飲み会を一つの「区切り」として実施することは、社員の集中力を保つ上で有効です。
よって、無礼講はNGとしたり、社内の公式行事として行ったりするなど、適切なルールを設定することで、仕事上の位置関係を崩すことなく、安心して社員が楽しめる忘年会を開くことができると考えられます。
無理に社員のモチベーションを上げようとすることが逆効果になってしまうことも
忘年会に限らず、無理に社員のモチベーションを上げようとする行為は逆効果になってしまうことがあります。
良かれと思い、必要以上に社員と深く関わり過ぎた結果、社内でトラブルが発生する、または、社長や会社に対する印象が悪化するなどです。
当然、これらのことが起きると、社員は社長の指示に対していちいち疑念を抱いたり、指示に従わなくなったりします。
飲み会によって適切な位置関係が崩れる?
また、忘年会と聞くと「無礼講」を想像する方も多いと思います。しかし、無礼講を許した結果、その場だけでなく、仕事上の位置関係まで崩れてしまう可能性があります。
例えば、「社長はいつも自分と対等の目線で相談に乗ってくれる」と社員が錯覚してしまうことです。
社長が社員と対等に接してくれることを当たり前と考えてしまうと「最近社長が相談に乗ってくれないので、仕事のモチベーションが上がりません」といった不満が出る可能性が高まります。
日頃は緊張感と節度を持って良い関係を築けているのに、ともすれば「飲み会」という非日常のイベントをきっかけに適切な位置関係が崩れ、社員のモチベーションをも低下させてしまうおそれがあるのです。
これでは、1年の終わりに社員を労い来年に向けて士気を高めたいという社長のねらいと真逆の結果を招きかねません。
会社で飲み会を行う際は注意点を押さえた上で実施するのがおすすめ
一般的に、忘年会などの飲み会を一つの「区切り」として実施することは、社員の集中力を保つ上で有効です。
よって、無礼講はNGとしたり、社内の公式行事として行ったりするなど、適切なルールを設定することで、仕事上の位置関係を崩すことなく、安心して社員が楽しめる忘年会を開くことができると考えられます。