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他責思考を自責に変えるには??成果を生む組織作りのポイントを解説

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「目標が未達なのはチームメンバーのせいだ」「業務が滞ったのは担当の対応が遅かったからだ」など、失敗の原因を他人や環境になすりつける人がいます

このような考え方は「他責」と呼ばれ、組織全体に蔓延すると、組織の機能不全や崩壊をまねきかねません。

そのため、組織として『他責が許されない仕組み』を構築する必要があります。

本記事では、自責と他責の違い、他責の社員が生まれる原因、そして自責の思考を育むためのポイントを解説します。

他責の思考をなくし、結果責任を負う行動をうながす仕組み・マネジメントを学んでいきましょう。

自責と他責との違いと原因

問題発生時、その原因のとらえ方には主に「自責」と「他責」の2つのスタンスがあります。

それぞれの違いと、他責の思考が生まれる背景について見ていきましょう。

自責の思考とは

「自責」とは、起きた出来事に対して「結果に対する全責任は自身にある」と考える姿勢です。

自責の思考を持つ人は「目標未達は、自身の計画、実行した行動量、あるいは保有スキルの不足が原因である」「チームの連携不全は、リーダーである自分の指示の不明確さやルール設定の不備に起因する」と、問題を自身の行動と結びつけて捉えます。

問題発生時にはまず自身の行動や判断を内省し、改善点を探ります。

周囲との建設的な対話も可能になり、チームからの信頼も得やすくなるでしょう。

他責の思考とは

「他責」とは、起きた出来事の原因を、自分以外の誰かや環境のせいだと考える姿勢です。

自責の思考とは反対に「そもそも目標が高いから達成は難しい」「上司の指示に従った結果、失敗した」と考えるのが特徴です。

他責の思考を持つ人はビジネスシーンでミスを繰り返したり、自分の責任範囲を狭く設定したりする傾向があります。

建設的な対話が難しく、チーム内での自由な意見交換を妨げることもあります。

他責の思考が組織にもたらす影響

他責の思考を持つ社員がいると、組織に以下のような悪影響を及ぼします。

  • 組織の信頼関係が崩れる
  • チームワークを低下させる
  • 成長機会を失う
  • 真面目に働く人の不公平感が高まる
  • 責任の所在が曖昧になる

順に解説します。

組織の信頼関係が崩れる

他責の姿勢が許容されると、問題発生時の責任転嫁と相互不信をまねきます。

「引き継がれていない」「〇〇さんのスキル不足だ」といった非難が飛び交い、メンバーは責任を負わされることを恐れて互いに関与を避けるようになります。

これによりコミュニケーションが失われ、信頼関係の構築が難しくなります。

チームワークを低下させる

人は相手の行動に影響を受けやすく、他責の思考は周囲に広がりやすい性質があります。

一度理不尽に非難されると、その人も他者を非難するようになり、協力体制が崩壊する場合もあるでしょう。

各自が他者のサポートを避けるようになり、チームワークが乱れ、業務効率も低下します。

成長機会を失う

他責の姿勢は、失敗の原因を外部に求めるため、自身の行動や能力の不足といった「事実」と向き合うことを妨げます。

そうしたマインドでは学習や新しい取り組みへの意欲を持てないため、成長の機会を失います。

周囲からも「これ以上言っても無駄だ」とみなされ、成長に必要な注意や指導を受けられなくなる場合もあるでしょう。

真面目に働く人の不公平感が高まる

他責の思考を持つ人は、仕事に対する当事者意識が不足しています。

行動量や保有スキルの不足といった問題を自分以外の人や状況のせいにするため、自ら解決しようとはしません。

他責の姿勢が許容される環境は、結果責任を果たそうと真摯に取り組む社員にとって著しい不公平感を生み出します。

「頑張るだけ損だ」と感じるようになり、真面目に働く社員の意欲が削がれ、本来発揮されるべき能力や積極性が失われます。

責任の所在が曖昧になる

組織がリスクを回避して成長するためには、過去の失敗から原因を特定し、改善策を講じなければなりません。

しかし、他責思考の人がいると問題の本質が見えにくくなり、原因究明が困難になります。

その結果、リスクに対する責任の所在が曖昧になり、効果的な再発防止策を立てられず、同じ失敗を繰り返すことにもなりかねません。

他責の社員が生まれる原因

他責の思考は組織にさまざまな悪影響を及ぼすため、その芽を早期に摘む必要があります。

ここでは、他責の社員が生まれる主な原因を見ていきましょう。

特定の人が作る独自のルールがある

組織にはしばしば社歴が長い人が作る「マイルール」が存在する場合があります。

例えば職場のお茶汲みは新人が行う、難易度が高い業務はベテランの〇〇さんに任せるなどです。

マイルールは一部の人の感情や、こだわりから生まれる傾向があります。

そのルールが作成者の責任逃れを助長するような内容である場合、問題発生時に「自分のせいではない」と言い訳をしやすくなり、他責の思考を育む土壌となってしまうのです。

部下に必要な権限を与えていない

組織内で役割に対し権限が不足していると、承認権限がない、あるいは単独で業務が進められないために意思決定が遅れがちです。

その結果、業務の停滞や行動量の不足を「権限がないからできない」と他責の言い訳で正当化し、責任逃れをするようになります。

組織の位置関係が曖昧である

本来、組織は経営者を頂点にリーダー、プレイヤーへと指示系統が明確な「ピラミッド型」が基本です。

しかし、指揮命令系統や責任の所在が曖昧な組織風土では、問題発生時に誰が最終的な責任者なのかが不明瞭となります。

その結果、個人が自身の責任範囲を都合よく解釈し、責任を他者や環境に転嫁しやすくなってしまうのです。

他責の蔓延を防ぎ、結果責任を徹底させるマネジメントの原則

部下の他責的な言動を容認することは部下の成長機会を奪い、組織全体の目標達成を著しく妨げます。

上司は、部下が結果に対して言い訳をする可能性を常に排除し、それを許さない明確なマネジメントを実践する必要があります。

重要なのは、他責的な言動が一切通用しない環境を構築し、部下が自身の行動とその結果に対して責任を持たざるを得ない状況を作り出すことです。

そのために、特に以下の2つのマネジメント手法を意識しましょう。

  1. 懸念点はやる前に出させる
  2. 結果責任を徹底する

それぞれ解説します。

1.懸念点はやる前に出させる

目標達成を阻む要因は業務開始前に洗い出し、可能な限り取り除いておかなければなりません。

ゴールを明確にして部下に責任感を持たせたうえで、目標設定の段階で考えられる懸念点をすべて挙げさせましょう。

例えば「予算が足りない」「別のプロジェクトと重なり、リソースが足りない」などの懸念点があった場合、着手する前にそれを排除しておく必要があります。

すると、行動を妨げる要因がクリアになり、「あとは自分の努力次第で達成可能だ」と、部下自身が認識するようになります。

2.結果責任を徹底する

他責傾向のある部下は、目標未達の場合にも自分以外の要素に責任転嫁をしがちです。

しかし、事前に懸念点を解消し行動の前提条件を整えているにも関わらず目標が未達だった場合、その原因は部下の行動(計画の具体性、行動量、スキルの適用など)にあると明確に特定されます。

上司は、結果が出た後に持ち出されるいかなる言い訳も許容してはなりません。

「未達の原因となった具体的な行動は何か」「それを改善するために、次はいつまでに、何を行うのか」を部下自身に徹底的に言語化させ、具体的な行動計画に落とし込ませることで、結果責任を負うことの重要性を認識させます。

自責の思考により成長をうながすための3つのポイント

では、どのようにすれば自責の思考は育つのでしょうか。ポイントは以下のとおりです。

  1. 不足を認識させる
  2. 評価は目標の達成具合で行う
  3. モチベーションマネジメントから脱する

順に解説します。

1.不足を認識させる

人は誰でも、自分の能力や行動を過大評価する「自己肯定的なバイアス」に陥りがちです。

部下が他責になる一因は、この「自分は適切に行動しているはずだ」という錯覚にあります。

それを防ぐため、目標未達の場合、その原因が自身のスキルや行動量の不足にあると本人に認識させることが重要です。

例えばゴールが曖昧であったり、結果との差異が明確にならない目標であったりする場合は、目標設定自体を見直す必要があります。

目標と現状の差異を明確にすれば、部下自身がそのギャップを認識し、具体的な行動改善につなげられます。

2.評価は目標の達成具合で行う

部下が言い訳をする一因として、評価基準が「頑張り」といった曖昧で感覚的なものになっている点が挙げられます。

達成度が数値で明確に示されない場合、部下は「できた」と感じても、上司は「不十分だ」と判断するなど、評価にずれが生まれやすくなります。

このような状況を避けるため、目標の達成具合という客観的な指標で評価しましょう。

例えば、成約件数が前年比で何%増加したかによって評価ランクを変えるといった具体的な方法が考えられます。

評価が客観的になることで、部下は自身で成果を測定できるようになるでしょう。

その結果、上司からのフィードバックにも納得しやすく、評価は自身の行動やスキルが反映されたものだと認識できるようになります。

3.モチベーションマネジメントから脱する

部下のモチベーション低下を心配するあまり、上司が言い訳を許容してしまうケースがありますが、これはマネジメント上、絶対に避けるべき行為です。

なぜなら、言い訳を認めると、部下は自身の行動や力不足を認識しなくなるためです。

識学では、目標未達の場合に「次はいつまでに何をするか?」と、具体的な行動計画を問い続けるよう推奨しています。

これにより、部下は自身に何が不足しているのかを自覚し、結果に対して責任感を持つようになるのです。

関連記事:上司は部下のモチベーションに直接関わるべからず | 識学総研

結果責任の文化を醸成する組織運営の原則

他責傾向のある社員を自責思考へと転換させるには、社員の自責思考を育むためのマネジメント手法やポイントに加え、組織全体で共有すべき考え方があります。

これらを日頃から浸透させるように努め、自責の文化を育んでいきましょう。

組織の利益が個人の利益につながる

他責の姿勢は、組織全体の成果よりも個人の短期的な利害や責任回避を優先する思考から生じます。

このような事態を避けるためには、「まず組織全体の利益があり、そこから個人の利益がもたらされる」という考えを全社員が持つ必要があります。

「組織全体の目標達成が最優先であり、その達成への貢献度に応じて個人の評価や処遇が決定される」という明確な原則を、評価制度や報酬体系といった具体的な仕組みを通じて組織内に徹底的に浸透させなければなりません。

部下から嫌われることを恐れない

人は誰でも、所属するコミュニティのなかで他者から認められ、「存在意義」を感じたいと願っています。

組織内でも同様に、先輩は先輩として、後輩は後輩としての役割を果たし、自身の存在価値を確立しようとします。

この存在意義の追求が、業務指導や目標管理といった仕事を通じて健全に行われるのが理想です。

しかし、ときには人間的に好かれたいという思いから、上司が部下に対して必要以上に甘い態度をとってしまうケースも見受けられます。

そのような態度は組織の規律を緩めて適度な緊張感を失わせ、他責や言い訳が生まれやすい環境を作る要因となるでしょう。

上司は、部下に好かれるよりも、組織の成長に必要な指導を優先すべきです。

変数を理解する

世の中には、自分の力で変えられることと、変えられないことがあります。

他責思考の人は、しばしば「自分の力ではどうにもならない」と感じ、物事の原因を他者や環境などの変えられない要素のせいにしてしまいがちです。

ここには、自分でコントロール可能な「変数」を見つける視点が欠けています。

「変数」とは、目標達成のために「何に注力すれば結果が変わるか」を見極めるうえで鍵となる要素です。

例えば、契約獲得が目標に設定されている場合、アフターフォローの改善で成果が向上すれば、それが「変数」の一つです。

他責の思考を持つ人には、業務プロセスを細分化して「なぜそうなったのか」を繰り返し問い、結果に直結した行動(変数)を見つけ出すようにうながしましょう。

識学では、常に自身を客観視し、成果につながる「真の変数」を見つけ出す重要性を強調しています。

関連記事:『数値化の鬼』で著者の私が伝えたかったこと【ベストセラーの生みの親・安藤広大が語る本当の意味】

自責の思考を醸成させて目標達成に近づこう

「他責」の蔓延は、個人の成長を阻害し、組織のパフォーマンスを低下させ、目標達成を著しく困難にします。

個人の意識変革に期待するのではなく、「結果責任」の原則に基づいた明確なルールと仕組みを組織に導入し、徹底的に運用することによってのみ、他責思考の排除が可能になります。

業務に取り組む前段階での言い訳の完全な排除、客観的な事実と結果に基づく評価制度の確立、そして感情論を排した行動管理の徹底などを通じて、部下が自身の行動とその結果に責任を持たざるを得ない環境を構築することが求められます。

これにより、部下一人ひとりが与えられた役割と責任を自覚し、目標達成に向けた具体的な行動を継続的に実践するようになり、組織全体の成果向上へと繋がるのです。

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