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会社を変える帰属意識のメカニズムとは?注意点とメリットをわかりやすく解説!

「ジョブ型雇用」「短時間正社員」「リモートワーク」など多様な働き方が進む現代において、社員の企業に対する帰属意識は薄れがちです。「帰属意識など不要。これからは個の時代だ」と考える風潮もあります。本記事では、社員が企業への帰属意識を持つメリットは何か、帰属意識はいかにして発生するのかを考えていきます。

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帰属意識とは


帰属意識とは、「その組織や集団の一員である」という意識のことです。私たちはさまざまな対象に帰属意識を発生させています。

自らを、「宇宙船地球号の一員だ」と見なす人もいれば、「アジアの一員」や「日本の一員」などと考える人もいます。ほかにも、「東京都民の一員」「品川区民の一員」、「株式会社〇〇の一員」「〇〇大学出身の一員」「仲のよい友人グループの一員」などの帰属意識もあるでしょう。

では、どのようにして帰属意識は生まれるのでしょうか。同じ集団に属していても、人によって帰属意識を持つ人と持たない人がいます。また、常に帰属意識が顕在化しているわけではありません。

「日本の一員」を例に挙げると、日常的に自分は「日本の一員だ」と思いながら毎日を過ごしている人は珍しいでしょう。皆さんは、いつそれを強く思うかと聞かれたら何と答えますか。きっと、「海外旅行に行ったとき」や「オリンピックやサッカーW杯をテレビで観ているとき」などと答えるのではないでしょうか。

例えば、海外旅行中聞き慣れない言語が飛び交うなか、ふいに日本語が聞こえてきたとき、その日本語を話す人物に親近感を抱いた経験はありませんか。日本にいるときには単に「日本語を話す」という行動をしている人に対して親近感を抱くことはないのに、海外では「日本の方ですか。どちらからいらしたのですか」などと話しかけてしまいますよね。

このときに「自分は日本の一員」だという意識が顕在化しているのだと思います。類似の事例ですと、「方言」も当てはまります。関西出身の方が、東京で関西弁が聞こえてくると親近感を抱くといった具合です。

帰属意識は同じルール下にて発生する


帰属意識は同じ文化や風習、慣習、行動規範などを守っている組織や集団内で発生すると言えます。それはつまり、同じルールを守る集団ということです。

ルールを設けることによって、意図的に帰属意識をつくり出すことも可能です。歴史をひもとけば多くの事例を見つけることができます。例えばアメリカ大統領選挙。共和党支持者は赤いシャツ、民主党支持者は青いシャツを身に着けていますね。その他、同じポーズをさせる、同じフレーズを言わせる、特定の時期に特定の行動をさせるなどによっても帰属意識が生まれます。

同じ組織や集団にいるはずなのに、ルールを守っていない人がいたらどのようなことが起こるでしょうか。ルールを守っている側からすれば、守っていない人を「仲間ではないのかな。仲間でいたくないのかな」と感じるでしょう。守っていない側の視点では、「そんな決まりがあるなんて知らなかった。守らなければいけないものだとは分からなかった」と言うはずです。

こうした事態は、ルールが明確であれば防げます。つまり組織や集団の一員であるかどうかの境界線が明確になれば、これまでルールを守っていなかった人は「私はこの組織の一員なので守ります」となるか、「このルールは守りたくないので、この組織の一員でいることはできません」となるかのどちらかです。こうしてその組織や集団の帰属意識を維持させることができます。

帰属意識が高い企業のメリット


この帰属意識を現代の企業でのマネジメントに活用してみましょう。明確なルールを用意することによって意図的に帰属意識をつくるのです。ただし、あまりにも社会性から逸脱したルールを設定してしまうと、「守りたくないからその企業にいたくない」という社員が大量に出てしまうので注意が必要です。そして、最初から仲間外れをつくるようなルールも望ましくありません。まずは、従業員全員が遵守可能なルールを設けた方がよいでしょう。

こうして、帰属意識が醸成されていくと、経営者と従業員双方にメリットがあります。主に、以下の3点です。

  1. 心理的安全性の獲得
  2. 離職率の低下
  3. パフォーマンスの向上

①は、このルールを守っていれば「自分はこの会社の一員だ」という帰属意識が社員の間に生まれることで、「このルールを守っている限り排除されることはない、自分はここにいてよいのだ」という心理的安全性を社員が得られるということです。

②について。帰属意識が希薄な状態は、会社からの指示や命令が自分の利益と相反するのではないかという考えを社員が抱く原因となります。この意識が消えないままの社員は、会社に所属し続けるメリットを次第に感じられなくなってしまうため、いずれ離職してしまうでしょう。

社員に帰属意識がある状態であればこういったことは起きません。例えば、幼少期の子供に対して親は行動を制限したり、目標を設定したりしたはずですが、子供には当然家族の一員という帰属意識があるので、親が自分への嫌がらせで言っているのだとは思わないはずです。

③も大きなメリットです。帰属意識があれば、「会社の利益と自分の利益が連動する」、いわば同じ船に乗っているという感覚を得られます。自分が受け取ったメリットを会社に返そうという「返報性の法則」により、会社に貢献したいという意識が社員に芽生え、組織のパフォーマンスが向上します。

帰属意識が高いだけでは要注意


ただし、帰属意識がただ高いだけの社員には要注意です。その会社の一員であることだけで満足してしまう人は、自らパフォーマンスを発揮することを忘れてしまいます。上司は、求めた結果に部下が到達できているかをチェックしなければなりません。

いかがでしたでしょうか。皆さんがどの組織や集団に帰属意識を発生させていて、その組織、集団にはどんな共通のルールがあるのかを考えてみると面白いかもしれません。組織のリーダーとして帰属意識の醸成を行うときには、社会性から逸脱しない明確なルール設定を行ってみてください。

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