部下の成長は上司の役割と認識している方は多いかと思いますが、成長できる環境(仕組み)を作ることが上司の役割であるという認識はありますか?
「成長するかどうかは部下自身の頑張り次第である」とか「部下の仕事内容を管理していれば成長するはずだ」とか思っていませんか?
もちろん当事者である部下は頑張らないといけませんし、上司が部下の仕事を管理する必要があることは事実です。
しかしながら、まず成長できる環境を作らない限り、部下は継続的には成長できません。
今回は部下が成長できる環境設定についてご紹介致します。
目次
不足を認識できること
成長の定義は「出来なかったことが出来るようになる」です。
その為にはまず出来なかったこと=不足を認識することが必須ですが、この不足を正しく認識させれていないケースがよく見られます。
例えば、報告書が結果だけになっている、つまり目標設定が明確にされていない、もしくはされてはいるが結果と対比して過不足を出させるものになっていないといったことがあります。これだと不足はまず認識できないですよね。
また、目標が定量化(数字)出来ていないと不足の認識にズレが生じてしまい、部下が不足を不足と思わないといったこともあります。
例えば、目標設定が売上数字ではなく頑張った度合のような感覚的なものになってしまうと、上司と部下の間でこの頑張った度合に対する認識がズレてしまい、部下は「頑張った」、でも上司は「頑張っていない」となることが多発します。
この場合、部下自身は頑張った=出来たと認識しているので、何がダメだったのかが理解できず、不足として捉えることが出来ないのです。
よって不足を認識させる為のポイントは次の2点です。
まず目標と結果をセットで捉え、必ず過不足が出る報告体制にすること。
そして上司と部下の間で認識のズレが無いよう、出来る限り定量化(数字)して落とし込むこと。
自責で捉えること
先にご説明しましたが、成長にはまず不足の認識が必須です。
そしてこの不足を認識するには、当然自分事と思わないと認識できません。
つまり自責で捉えることが必要なのです。
しかしながら、部下に対する優しさからこのことを正しく理解できていない上司がいたりします。
例えば出来なかったことに対して、「人が足りなくて手が回らなかった」とか「予期せぬ競合が現れた」など、所謂何かしら言い訳を発する部下がいた場合、これは他責の思考ですよね。
これに対して上司が「そうだな、今回は仕方ないな」といった感じで、ここで責めると落ち込んでしまい、モチベーションが下がってしまうから止めておこうと、この言い訳を認めてしまうケースです。こうなると部下は今回の不足を自分事として捉えることはありません。
また、いかに定量化できていたとしても、それを不足として認識することはありません。
つまり成長は自責で認識しない限り成し得ません。
部下のことを想っての優しさから部下の他責思考を認めることは、部下の成長の機会を奪っていることと同義なのです。
まとめ
今回は、部下が成長する為の環境設定についてご紹介させていただきました。
- 成長は「出来なかったことが出来るようになること」。その為にはまずは不足の認識が必須である。
- 不足を認識する為には、目標と結果をセットで捉える報告体制にし、かつ認識がズレないよう出来る限り定量化(数字)すること。
- 自分事として捉えない限り不足として捉えることはありません。部下の他責は排除して、自責で認識させることが上司の役割。他責を認める優しさは本当の優しさではなく、単に部下の成長の機会を奪っているだけである。
本気で部下に成長して欲しいと思うのであれば、まずはこのポイントを徹底してみてください。