「他社で高い実績を残した実力者を採用したのに、大した成果も出せず1年半で辞められてしまった…」
すごい経歴の人を中途採用したはずなのに、期待外れに終わってがっかりした経験を持つ社長や管理職の方は多いのではないでしょうか。
他社における実績が素晴らしくても、入社後に実力を発揮できるとは限りません。それどころか、外部の評論家的な態度を持ち続けて周りにも悪影響を与えてしまうケースもあるのです。
ここでは、すごい経歴の中途採用者にまつわる誤解と、実力を発揮してもらうためのポイントについてみていきましょう。
目次
「すごい中途採用者」に抱く過大な期待という罠
「業界首位の○○社でマネージャーだった人が入ってくれるので、この際会社の業務の問題を指摘してもらって改革しよう」
このように考える会社は多いのですが、残念ながら多くの場合は大した成果も上げられずに失敗します。
失敗の原因の1つに、「他社で成果を上げた人はうちの会社でも成果を上げられるはず」とその経験を吟味せず、「すごい経歴だから、会社をよくしてくれるだろう」という正体不明の期待を抱いてしまい採用してしまうことがあげられます。
しかしながら大切なのは、当然ですが採用したあとに「会社の業績にどのように貢献してもらうか」です。そのイメージなきまま、採用することそのものを目的化しても活躍できるはずもありません。
評論家であり続けてしまう中途採用者
また、社長が中途採用者に対して「所属部署に限らず、問題と感じる点があったらどんどん指摘して、新しいエッセンスを注いでほしい」などと言って、外部の評論家のような立場を求め続けてしまうこともあります。
中途採用者は、ただでさえ最初は「よそ者」という立場に近いものです。そのため、組織の一員となるために、「組織のルールを守る」ことが絶対的に必要です。しかし、上記のような指示を受けた中途採用者は、組織のルールの問題点に気づきそれを報告します。そこには改善する責任も伴いません。さらに場合によっては、自らはそのルールを守らない状態となります。会社のルールを守らず、責任のない事柄に対して指摘のみを行うその中途社員を他のメンバーが組織の一員と認識することは難しいでしょう。
さらに、時間の経過とともに、最初は満足していた社長も、実が伴わない中途社員に対して「実行力のない人間は厳しい」という不満を持つようになります。
会社が求める結果を明確に伝えよう
すごい経歴を持つ中途採用者に対しては、会社として求める結果を明確に伝え、そして、その結果を約束してもらう事が必要です。「いろいろ会社を変えてくれそう」などという曖昧な期待を持ってはいけません。
さらに、その人の自社における「求める結果」を伝え、約束してもらうことで、中途採用者に覚悟を持って勤めてもらうことも可能になります。
組織のルールを守らせよう
どれだけ優秀な経歴を持っていようとも、組織の一員である以上組織のルールに従って働いてもらわねばなりません。
例えば、何か問題点を発見したときでも、まずは組織のルールに則って上長に報告し、責任者が「改善の必要あり」と認め、そのうえで解決策の提案を求められたら動けばいいだけの話です。決められたプロセスを守らずにスタンドプレーを繰り返しても、組織には何のプラスもありません。仮に指摘する権限を与えるのであれば、同時に責任も付帯しなければいけません。
それらを行わずに、評論をし続けても、中途社員が組織や組織の他のメンバーから信頼を獲得することはできないのです。
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