この題名を読んだうえでこのコラムを開いた皆さんは、もしかすると「これは自分のことだ」と感じているのかもしれません。
例えば現在所属している会社で、
・やりがいのない仕事ばかりでモチベーションがないから、手を抜いて仕事をしている
・給料に対して不満があるので、それに見合う質の低い仕事だけやっている
といった状態になっている人はいないでしょうか?
このコラムを読むことで、働くとはどういうことなのかということをもう一度見つめ直してみましょう。
目次
1.関係性が継続する理由
働くとはどういうことなのかということを見つめ直すにあたり、まずは有益性という言葉について知っていただきたいと思います。
皆さんには、仲の良い人や、長く関係性がある人はいますか?
その人とは、なぜ長く一緒にいられるのでしょうか?
「感性が近くて一緒にいると楽しいから10年以上も仲の良い友達」や、「いつも新しい価値観を教えてくれて勉強になる先輩」など、いろいろな例があると思います。
このように、人と人が関係を維持している時、その2人の間ではお互いに有益性が発生しています。
有益性という言葉を使うとお金や利益を想像してしまいがちですが、人と人の関係の間に発生する有益性には、先ほどの例のような「一緒にいると楽しい」「勉強になる」など、様々なものがあります。
この有益性というのは両者の間でバランスをとるものです。もし一方からの有益性が多すぎたり少なすぎたりするとバランスが崩れ、その関係は崩壊してしまいます。
そのため関係を続けていきたい場合には、自分が相手に対して有益性を発揮し続けるということが重要になります。
これは、組織と個人との関係においても同じことが言えます。
組織と個人も有益性によって繋がっているので、個人が組織に対して有益性を感じなくなったら、その組織から離脱します。逆に、組織がその個人に対して有益性を感じなくなったら、その個人を排除します。
つまり、個人が有益性を発揮し続けることは、その組織に所属し続けるための必要条件ということです。
2.組織への有益性
次に、会社と社員という関係について考えたいと思います。
日本では雇用が守られているため、社員の立場として「職を失うかもしれない」という危機感が希薄になりがちです。
しかし現実には、会社への貢献が不十分、つまり、会社に対する有益性の発揮が不十分であれば、評価の低下や、重要な役割から外れるといったシビアな判断が行われることになります。
また一方で、会社が存続し続けるには、市場から良い評価を獲得することや、社会にとって必要な会社であるという評価を獲得することが必要です。そうでなければ組織としての存続ができなくなってしまいます。
つまり会社組織は、”外部に対して”有益性を発揮するものであるという事実があります。
ただし、社員は会社から有益性を得ることができます。例えば、成長の場・所属することによるステータス・給与・福利厚生・仲間など、様々なものが考えられます。
そしてこの”社員が会社から得られる有益性”の中で会社にとっても有益となるのは、「社員が成長すること」と「社員がこの会社に所属すること」の2つだけです。
つまり、会社と社員の有益性をバランスさせるためには、社員の成長が求められるということになります。
少子化が進み、売り手市場である今の状況において、新入社員や若手社員は有益性を発揮していなくても大切にされがちです。
この「若さ」というのは一過性のものであるため、それだけで長い期間にわたって有益性を発揮し続けることはできません。成長を続けることで、組織への有益性を発揮し続けることが重要です。
3.給与は何に対して払われるのか?
給与は、社員が与えられた役割を果たし、それによって生み出した有益性の対価として払われるものです。
つまり順番としては、
①社員が仕事をする
②それに対して給与が発生する
というのが正しい順番です。
まず社員がお客様にサービスを提供し、お客様がそのサービスの対価として会社にお金を払い、会社が社員に給与を渡します。
しかし、
①給与をもらう
②それに対して仕事を行う
という意識になってしまっている人はいないでしょうか。
この場合、まず会社が社員に給与を渡し、社員がお客様にサービスを行い、お客様がそのサービスの対価として会社にお金を支払うという順番になります。これは、「先に糧を手に入れないと働かない」ということであり、正しい状態ではありません。糧は誰かが働くことによって集めなければ、集まりません。
例えば、大昔、人がマンモスを狩って生きていたころのことを思い浮かべてください。正しい状態は、まず狩りに行ってマンモスを捕まえ、それから食糧を得られるという順番です。
「先に糧を手に入れないと働かない」というのは、「まずお腹がいっぱいにならないと、狩り
に出かけない」と言っているのと同じことです。そのような人ばかりの組織では、当然滅んでしまいます。
だから、まず組織に所属している人が有益性を発揮し、それに対して糧=給与が与えられるというのが正しい順番なのです。
有益性を発揮しなくても先に給与がもらえる状態だったら、やる気がない時はやらない、モチベーションが上がらないときはやらないと考えてしまうこともあるでしょう。
しかし事実は、与えられた役割を果たすことで発揮した有益性に対して支払われるのが給与なので、自らが与えられた役割に全力で取り組むのは当然であり、モチベーションが上がらないから全力で取り組まないというのは成立しないということです。
4.モチベーションはどこから来るのか?
実はモチベーションというのは、行動する前に必要なものではなくて、行動しているうちに生まれてくるものです。
モチベーションは、目標を達成することを通して、成長したと感じたときに発生します。皆さんも今までの人生で、取り組んでいるスポーツでできなかったプレーができるようになったときや、テストで目指していた点数が取れたとき、楽器で今まで出せなかった音が出せたときなどに「もっとできるようになりたい」「なんだか楽しくなってきた」と感じたことがあるのではないでしょうか?
そして目標の達成には、行動することによって経験をし、不足を埋めていくことが必須です。つまり、まずはとにかく行動するしかないのです。
行動して、不足を埋めて、一つ一つ小さな目標を達成しながら大きな目標に向かっていくことで、自身の成長を感じることができます。
つまりモチベーションは会社や上司に与えてもらうものではなく、自分自身が行動することによって発生させるものなのです。
また、成長することは自身のモチベーションを上げてくれるだけでなく、自身の有益性も高めてくれます。
組織に対して発揮できる有益性を高めることで、組織も有益性をバランスさせるために、あなたにより多くの有益性を与えるようになります。
世の中は、より多くの有益性を与えることができる人に、より多くの有益性が集まるようになっているのです。
行動して自身でモチベーションを高めれば高めるほど、物質的に得られる有益性も高まっていくと考えると、もう行動しない理由はないのではないでしょうか。
まとめ:待っていても何も与えられない
ここまで、
・有益性はバランスすること
・会社への所属を続けるためには、有益性を発揮し続けることが必要であり、そのためには成長が求められること
・発揮した有益性に対して給与が与えられること
・行動することでしかモチベーションは発生しないこと
をお伝えしてきました。
何もせず待っていれば、会社が給料をくれる。
やる気がなさそうにしていれば、上司がモチベーションを高めようと、いろいろ手を回してくれる。
それってかっこいい働き方でしょうか?
”お金を得るために仕方なく働く”のではなくて、”自分の人生を豊かにするために働く”と思えたら、とても素晴らしいことだと思いませんか?
今の仕事や役割が何に繋がっているかわからなかったとしても、何もせずに待っているだけでは、前進しません。
まずは自分から行動する。そして成長する。それによって、自分の手でモチベーションや有益性を手に入れてみませんか。
是非、「働くとはどういうことなのか」を知って、今の自分自身を見つめ直してみてください。
皆さんの明るい未来を応援しています。










