識学の『無料セミナ―情報』はこちらから

リテンションとは?具体的なリテンション施策や従業員のリテンションリスクを把握する方法を解説!

リテンションとは

人材不足が深刻化するなかで、離職率に課題を感じる企業は3割以上にのぼるという調査結果があります。

優秀な人材を組織内に確保しておくという意味を持つ「リテンション」は、人材育成や離職率に課題がある企業で重視すべき戦略・施策のひとつです。

本記事では、ビジネスシーンでのリテンションについて以下の観点から解説します。

  • 領域別のリテンションの意味
  • 「リテンション・マネジメント」とは何か
  • リテンション施策の種類と具体例
  • 従業員のリテンションリスクを把握する3つの方法
ビジネス書としては異例の30万部突破!
書籍『リーダーの仮面』の図説資料
をプレゼント!
リーダーの仮面図解

株式会社識学 代表取締役社長 安藤広大の執筆した書籍「リーダーの仮面」は、結果の出せるリーダーになるために必要なテクニックをまとめたリーダーシップ本の決定版!

優れたマネージャーに、才能・人間力・経歴は一切必要ありません!

誰でも実践できるマネジメントの原理原則PDF17ページにググっと凝縮!

ぜひ、DL頂き、皆さまの日々のマネジメントに生かしてください!

リテンションとは?領域別のリテンションの意味

リテンションは直訳すると「維持」や「保持」という意味を持っています。

労働市場の流動性が高いアメリカでは、日本に先行してリテンション・マネジメントが重視されてきました。

本章では、ビジネスシーンにおいて使用されるリテンションの意味や使い方について以下の領域別に解説します。

  • 人事領域におけるリテンションの意味
  • マーケティング戦略におけるリテンションの意味

人事領域におけるリテンションの意味

人事領域においてリテンションとは、優秀な人材や若手・中堅社員を組織内に確保しておくことです。

リテンションを強化することで採用コストが削減できたり、組織の生産性が向上したりする効果があります。

反対にリテンションが弱いと、従業員の離職によって人材の補充や育成に多くのコストや労力がかかります。

また、社内のノウハウやネットワークが流出してしまい、業務の停滞や顧客の流出などのリスクも発生します。

従業員の定着率が低いと、人員を適材適所に配置することや信頼関係を構築することが難しくなり、経営の安定にも影響するため、リテンションの強化が必要です。

マーケティング戦略におけるリテンションの意味

マーケティング戦略におけるリテンションとは、既存の顧客との関係を維持し、リピートや長期契約などを促すことを指します。

一般的には「リテンションマーケティング」という方法で、マーケティングを行います。

リテンションマーケティングの具体的な施策は以下の通りです。

  • メールマーケティング
  • レコメンド
  • SNS
  • プッシュ通知
  • リテンション広告
  • カスタマーサポート
  • カスタマーサクセス
  • CRMやMAツールの導入
  • オフラインイベントの開催

優秀な人材の確保に有効な「リテンションマネジメント」とは

リテンションマネジメントとは、人材の流出を防止し、組織への長期的な定着を図る施策・戦略のことです。

リテンションマネジメントの効果には以下のようなものがあります。

  • 採用や教育のコスト削減
  • 引継ぎによるミスや負担の軽減
  • 業務の安定性や品質の向上
  • 豊富な経験による人材の競争力強化
  • 企業のブランドイメージや風土改善

リテンションマネジメントは、従業員の満足度や不満、悩みなどに応じた施策を行うことが大切です。

そのため、企業は、自社の従業員の状況やそれぞれのキャリアプランを踏まえたうえで適切なリテンションマネジメントを行うことが求められます。

リテンション施策の種類と具体例

近年深刻化する人材不足によって、人材獲得競争も激化しています。

そこで必要となるのが、リテンションマネジメントです。

人材流出を防止するために効果的なリテンション施策は、主に以下の2つに分けられます。

本章では、リテンション施策の種類と導入に際しての具体例を解説します。ぜひ参考にしてみてください。

  • 金銭的報酬
  • 非金銭的報酬

1.金銭的報酬

金銭的報酬とは、業績に応じたボーナスや昇給、インセンティブなどの形で従業員に金銭的な対価を支払うことです。

厚生労働省の「令和2年転職者実態調査」によると、転職者が直前の勤務先を離職した理由で最も多いのが「自己都合」で76.6%となっており、自己都合の退職理由では、「賃金が低かったから」が3番目に多くなっています。

給与に関わる人事評価や給与体系の見直し、福利厚生の充実なども金銭的報酬の効果的なリテンション施策です。

以下、詳しく解説します。

1-1.明確な人事評価、給与体系の見直し

1-2.福利厚生の充実

1-1.明確な人事評価、給与体系の見直し

従業員の業務内容や成果に応じて、公平かつ適正な評価と報酬を与えることが大切です。

明確な人事評価や給与体系は、従業員の働くモチベーションや生産性を高めることにつながります。

株式会社リクルートの「企業の人材マネジメントに関する調査2023」によると、モチベーションの向上は「次世代リーダーの育成」に次いで多くの企業が抱える人事課題の上位となっています。

人事評価や給与は、従業員にとって企業からの評価が目に見える重要な指標です。

明確な評価は、従業員の会社への信頼を高めるとともに公平性を生み出します。

参考:企業の人材マネジメントに関する調査2023 人事制度/人事課題編|株式会社リクルート

1-2.福利厚生の充実

従業員の健康や生活の質を向上させるために、各種保険や退職金、従業員割引、施設利用などの福利厚生を提供します。

福利厚生が充実していると、従業員の安心感や会社への忠誠心を高められます。

福利厚生を拡充するために検討できる制度や施策は以下の通りです。

  • 財産形成(財形貯蓄制度、社内預金制度、ストックオプション制度など)
  • 食堂、食事手当
  • 健康管理(人間ドッグ受診の補助、運動施設の設置、フィットネスクラブの利用補助など)
  • 企業内保育施設や保育サービスの提供
  • 休暇制度
  • 社内外での自己啓発プログラムの提供
  • 慶弔・災害制度
  • 住宅手当・社員寮の整備
  • レクリエーション活動の実施
  • フレックスタイム制度
  • 定年退職後の医療保障

2.非金銭的報酬

従業員の離職の原因は金銭的報酬だけとは限りません。

金銭的報酬に頼らないリテンション施策のことを、非金銭的報酬といいます。

厚生労働省が実施している「令和4年雇用動向調査では、令和4年の転職入職者が前職を辞めた理由として「個人的理由」の中でも「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」が男女ともに散見されます。

非金銭的報酬の主なリテンション施策は以下の通りです。

2-1.ワークライフバランスの実現

2-2.待遇の改善

2-3.キャリア形成・スキルアップ支援

2-1.ワークライフバランスの実現

従業員の仕事とプライベートの調和を図るためにフレックスタイム制度や在宅勤務、有給休暇の取得促進などの制度を導入します。

ワークライフバランスの実現は、従業員のストレスや疲労を軽減し、生産性・創造性を向上させるために大切な取り組みです。

2-2.待遇の改善

従業員の働く環境や条件を改善するため、設備投資や社内コミュニケーションの活性化、ハラスメント防止などの取り組みを行います。

職場環境や待遇は、従業員のモチベーションに影響を与える「衛生要因」です。

衛生要因は従業員が不満を持つ要素であり、「動機付け要因」とともに改善・強化が必要です。

衛生要因と動機付け要因については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

関連記事:離職率を改善!業績アップにもつながるモチベーション管理方法を解説

2-3.キャリア形成・スキルアップ支援

キャリア形成やスキルアップ支援は、従業員の働きやすさや働きがいを高められるリテンション施策です。

たとえば、具体的な施策には社内のジョブローテーションや社外の研修・セミナー、キャリアカウンセリング制度などが挙げられます。

施策によって従業員はスキルや知識の向上、キャリアの選択肢を増やせるため、働くモチベーションが高まり、離職防止に繋がります。

従業員のリテンションリスクを把握する3つの方法

リテンションリスクとは、従業員が組織から離職する可能性の高さのことで、人事において重要な指標のひとつです。

リテンションリスクは、早期に把握することが大切です。

そこで、自社の従業員のリテンションリスクを早期に把握するためにできることとして以下の3つを解説します。

  • 積極的にコミュニケーションを取る
  • 勤怠状況を分析する
  • 過去の離職者の分析をする

1.積極的にコミュニケーションを取る

管理者は「従業員同士のコミュニケーションが取れているか」「何か困ったことはないか」など、以前と比べて変わったことがないかこまめに確認します。

従業員の意見や要望、不満、悩みなどから、従業員満足度や仕事へのモチベーション、組織への帰属意識などの把握が可能です。

従業員に積極的にコミュニケーションを取ることとは、リテンション施策のひとつである非金銭的報酬にもつながります。

また、従業員の成長や目標達成に向けてのサポートも容易となるでしょう。

2.勤怠状況を分析する

従業員の出勤率や遅刻・早退・欠勤の回数、有給休暇の取得率などを調べることで、従業員の働く意欲や健康状態、仕事への負担感などを把握できます。

若手社員に限った話ではありませんが、従業員の勤怠状況に対し個別に必要な対応をしたり改善策を提案したりするのをおすすめします。

3.過去の離職者の分析をする

過去に組織から離職した従業員の属性や理由、経歴などを調べることで、離職者の傾向や要因、影響などを把握できます。

多くの場合、退職時にヒアリングを行うものの、退職理由の傾向を分析することを疎かにしてしまいがちです。

しかし、退職理由から企業の問題点を把握することもできるため、時間を割いて損はないでしょう。

目の前の離職率の改善だけはなく、企業存続を見据えた将来のリテンションマネジメントを考えることも必要です。

リテンションの重要性はますます高まる

今回は、リテンションの意味やリテンション施策の具体例、従業員のリテンションリスクを把握する方法について解説しました。

昨今深刻化する人材不足によって、リテンションの重要性はますます高まるでしょう。

時代に合った施策としてリテンションを重視し、離職率改善を前提に従業員のモチベーションやパフォーマンスを高めることをおすすめします。

書籍『数値化の鬼』の要約解説図をプレゼント!
書籍『数値化の鬼』図解要約資料

株式会社識学 代表取締役社長 安藤広大の執筆した書籍『数値化の鬼』が、なんと発売後 約1か月で12万部を突破しました!

この感謝を皆様にも還元すべく、株式会社識学では、『数値化の鬼』の図解解説資料を作成いたしました!

一度書籍をお読みになった方も、まだお手元にない方もどなたでも満足いただける完成度となっています!

眺めるもヨシ、印刷して目の付くところに飾るもヨシ、使い方は自由自在!

是非、こちらからDLしてくださいね!