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ロジカルシンキングで用いる「ロジックツリー」とは?概要から作り方、おすすめテンプレートも解説

ロジカルシンキングのロジックツリー

日常生活はもちろん、ビジネスにおいて問題解決に大きく役立つロジカルシンキング。

その思考を助けるフレームワークは数多く存在します。

それぞれのフレームワークが異なる特徴を持っているため、その特徴を生かした使い方や場面による使い分けが重要です。

本記事では、ロジカルシンキングのフレームワークのひとつ「ロジックツリー」について、種類やメリット、作成に使えるツール・テンプレートを紹介、解説します。

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ロジックツリーとはロジカルシンキングで利用されるフレームワークのひとつ

ロジックツリーとは、問題や目標を木の枝のように分解して、論理的に分析や解決を行うためのフレームワークです。

ロジカルシンキングは「論理的思考」とも言われ、誰にでも分かるように筋道が立った思考法のことを指し、「情報の収集」「情報の整理」「情報の発信」で構成されています。

そして、この「情報の整理」で使えるのがロジックツリーです。

情報の整理にはロジックツリーのほかにも「MECE」、情報を収集する際には「3C分析」や「TAPS」などのフレームワークの活用もよいでしょう。

ロジックツリーは、代表的な4つの種類に分類されます。

種類については次章で解説していますのでぜひ参考にしてみてください。

ロジックツリーの種類

ロジックツリーは以下の代表的な4つの種類に分けられます。

本章では、図を用いて具体例とともにそれぞれの特徴を解説します。

  • Whatツリー(要素分解ツリー)
  • Whyツリー(原因追求ツリー)
  • Howツリー(イシューツリー)
  • KPIツリー

仕事にロジックツリーを活用するのであれば、ロジックツリーそれぞれの特徴を理解し、解決する問題や目標の状況に応じて使い分けができるかどうかが重要となります。

1.Whatツリー(要素分解ツリー)

whatツリー

Whatツリー(要素分解ツリー)とは、情報や物事、問題を構成している要素を分解していくロジックツリーのことです。

図は、車の種類を例に分類した要素分解ツリーです。

図の場合、車の種類を構成している要素として「ナンバー区分」を軸に分解しています。

しかし、軸の置き方によっては複数パターンのロジックツリーの作成が可能です。 

スタートとなった物事全体をどんどん分解していくことで構造を明らかにしていくロジックツリーであり、問題が発生した際に発生箇所を特定するのがWhatツリーの目的です。

要素をMECE(もれなく・だぶりなく)で分解していくため、物事や問題の全体像を把握することにも使えます。

2.Whyツリー(原因追求ツリー)

whyツリー

Whyツリー(原因追及ツリー)は、Whatツリーで問題の発生個所を特定した後、問題の原因を特定する目的で作成するロジックツリーです。

Whyツリーは因果関係で分解していく必要があります。

「思い浮かんだ原因が本当の原因なのか」「他に原因はないか」など考えられる要素(問題の原因)をWhyツリーに書き出すことで、あてはまる原因があるか確認できます。

因果関係で分解していくWhyツリーは、問題の表面的な原因ではなく、深いレベルでの原因を特定できるロジックツリーです。

3.Howツリー(イシューツリー)

howツリー

Howツリー(問題解決ツリー)は、イシューツリーとも言われ、解決したい問題に対して改善策を挙げていくロジックツリーです。

Howツリーは、問題の解決方法を挙げることや優先順位をつけることを目的として作成します。

Whyツリーができていれば、図のようにWhyツリーをHowツリーに対応させて問題の解決策を書き出していくことが可能です。

ツリーを右側に伸ばしていくにつれ、解決策が具体的になり、起こすアクションも明確になります。

明確となったアクションを実行することで、成果を出しやすくするのがHowツリーです。

4.KPIツリー

KPIツリー

KPI(重要業績評価指標)とは、企業の最終ゴール(KGI)を達成するために必要な指標のことで、KPIの因果関係をツリー状にしたものがKPIツリーです。

Howツリーに目標値が加えられたものと言っていいでしょう。

KPIツリーを使って分解していく際には「足す」や「引く」「掛ける」「割る」で、各KPIの因果関係を表しながら分解します。

四則演算によって、KPIの数値が上下した場合にKGIにどのような影響が出るのか、測定を容易にします。

KGIまでのプロセスをKPIツリーによって可視化できるようになり、施策の評価をしやすくなることがメリットです。

ロジックツリーのメリット

ロジックツリーは左側から右側に、分解した要素を増やしていけばいくほどより細分化され、物事の具体性が高くなるという特徴があります。

本章では、以下3つのロジックツリーのメリットを解説します。

  • 問題の原因を特定しやすい
  • 優先順位を決めやすい
  • 具体的な解決策を出せる

どのメリットもロジックツリーの特徴に基づいています。

メリットまで理解しておくことは仕事でロジックツリーを活用する上でも大切です。ぜひ参考にしてみてください。

1.問題の原因を特定しやすい

ロジックツリーは、問題や目標の要素を階層化することで思考を可視化できるツールです。

問題や目標の階層化・可視化によって、問題の発生箇所や原因を明確にできます。

問題の原因を特定することは、問題解決の第一歩です。原因が分かれば、解決策も見えてきます。

また、原因を分析することで、問題の本質が分かるようになります。

たとえば「社員の残業が増えている」という問題の原因を特定する場合のロジックツリーは以下の通りです。

問題の原因を特定しやすい
図のように要素の分解を繰り返し行って分析することで、問題の原因を特定しやすくするというメリットがあります。

事例参考:本田一広「ロジカルシンキングで面白いほど仕事がうまくいく本」(2016年)

2.優先順位を決めやすい

ロジックツリーには、分解した要素に数値や評価を付けることで優先順位を決めやすくなるというメリットがあります。

たとえば「A社の経営が悪化している」という前提条件には、分解していった要素の「店舗数が減少している」など、客観的な評価や数値をつけられます。

評価や数値から改善や解決のための優先順位を決めることは、効率的に問題解決を進めるためにも重要です。

優先順位が決まれば、問題のどこから着手すべきかが明確になります。

ロジックツリーにおいて優先順位を決める際には、要素の重要度や緊急度、実行可能性などを考慮します。

3.具体的な解決策を出せる

ロジックツリーは、要素を分解していく際に具体的に解決策を書き出せるので、行動に移しやすくなります。

解決策は具体的であればあるほど実行しやすいでしょう。また、周囲の人も巻き込みやすくなります。

ロジックツリーで解決策を書き出す際には、SMART(Specific、 Measurable、 Achievable、 Relevant、 Time-bound)な目標設定を心がけます。

SMARTは目標達成のために効果的なフレームワークです。

以下の5つの要素の頭文字を取っており、目標が5つの要素を満たしているかをチェックすることで、具体性のある目標を設定できます。

  • Specific(具体的な):目標がはっきりとした内容であること
  • Measurable(測定可能な):目標の達成度合が数値や指標で測れること
  • Achievable(達成可能な):目標が現実的で実現できるレベルであること
  • Relevant(関連性のある):目標が自分や組織の利益につながること
  • Time-bound(期限のある):目標に期限が設定されていること

ロジックツリーの作成手順

ロジックツリーは問題や目標の「何がいけないのか」「解決の糸口がどこにあるのか」などを可視化できます。

しかしそのためには、きちんと順序を守ってツリーを作っていくことが必須です。

ロジックツリーの作成手順とポイントは以下の通りです。

  1. 中心となるテーマを決める
  2. 要素をMECE(ミーシー)に書き出す
  3. 分解できるところまで分解を続ける

1では、問題解決や目標達成などのロジックツリーの中心となるテーマを目的に応じて設定します。 

2のMECE(ミーシー)とは、Mutually Exclusive(もれなく)とCollectively Exhaustive(だぶりなく)の略で、要素を分解する際の基本原則です。

要素は、ロジックツリーの中心となるテーマから水準を1つずつ下げていきます。 

3で要素をさらに細かく分解していきます。

分解する際には、原因と結果、必要条件と十分条件、構成要素と属性などの関係性を考慮します。

ロジックツリー作成のためのツール・テンプレート

ロジックツリーは、情報を短時間で整理・分析できるフレームワークです。

ロジックツリーを作成するのに、物事や情報をあてはめる枠組みから作っていたのでは時間がかかってしまいます。

そこで、ロジックツリーを作成する際におすすめのツールテンプレートを3つ紹介します。

  • SmartArt(Excel)
  • Xmind
  • MindMeister

1.SmartArt(Excel)

ロジックツリーを作成する際におすすめのテンプレート1つ目は、エクセルのSmartArtです。

SmartArtでは階層構造を簡単に作成できる機能があり、横方向に広がっていく階層のテンプレートを選択することでロジックツリーが作成できます。

以下の手順でロジックツリーの作成が可能です。

1.Excelで「挿入」タブをクリックし「SmartArt」をクリックする

Excelで「挿入」タブをクリックし「SmartArt」をクリックする

2.SmartArtの「階層構造」カテゴリから「横方向階層」を選択する

SmartArtの「階層構造」カテゴリから「横方向階層」を選択

3.「OK」をクリックすると、ロジックツリーの基本形が挿入されるので、ロジックツリーの各ボックスにテキストを入力していく

ロジックツリーの各ボックスにテキストを入力

4.同じ階層を増やすには「Enter」。ひとつ下の階層にするには「Tab」。ひとつ上の階層にするには「Backspace」

階層を増やす

5.完成

完成

参考:人口推計(令和5年(2023年)1月確定値、令和5年(2023年)6月概算値)|統計局ホームページ

2.Xmind

Xmind

引用:https://jp.xmind.net/

Xmindは、シンプルで簡単に利用できるマインドマップツールです。

ロジックツリーとしても使用できます。

マインドマップとは、思考を可視化し発想を広げ、豊かにするツールのことです。

ロジックツリーとマインドマップは目的に違いがあり、マインドマップは自由な発想で思考の可視化や新しいアイデアを構築することを目的としています。

Xmindは基本的に有料であり、いくつかのプランがあります。

無料試用版もありますが、名前の通り製品の動作確認が目的となっており、機能のいくつかは利用できません。

マインドマップをはじめ豊富なテンプレートが魅力で、組織としてロジックツリーを活用していきたい方におすすめです。

3.MindMeister

MindMeister

引用:https://www.mindmeister.com/pages/ja/mind-mapping

MindMeister(マインドマイスター)もXmind同様にマインドマップツールですが、ロジックツリーを作成するツールとして使用できます。

特徴は、チームメンバーで共同編集が可能なこと、モバイルアプリによってどこにいても思考を可視化できることです。

MindMeister(マインドマイスター)では無料プランをはじめ、4つの料金プランがあります。

4つの料金プランの中でも「プロ」「ビジネス」は、一度の契約で複数メンバー(ライセンス)の利用ができるので、企業や組織におすすめです。

本記事のWhatツリーを解説する例として使った画像は、ちょうどこのMindMeisterで作成したものです。ぜひ参考にしてみてください。

出典:マインドマップをオンラインで作成-任意のデバイスで | Mindmeister

ツリーを組み合わせて仕事の効率化を図ろう

本記事では、ロジックツリーの種類やメリット、作成手順を解説するとともに、作成時におすすめのツールやテンプレートも併せて紹介しました。

ロジックツリーを活用する際は、代表的な4種類それぞれの特徴を理解し、使い分けたり組み合わせたりすることが大切です。

「問題解決策を出すように言われた」「問題解決のマニュアルをつくりたい」など、仕事でロジックツリーを活用したい方は、ぜひ本記事を参考にロジックツリーを作成してみてください。

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