理念経営 入門ガイド

会社にとっての理念は会社が存在する理由を表したものであり、理念経営とは経営理念に基づいて会社を運営していくことです。この理念経営にはどのようなメリットがあり、そしてどのようなデメリットがあるのかを解説をします。

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理念経営のメリット

まず、理念経営のメリットを紹介しましょう。大きく二つあります。

一つは、日々仕事をする上での迷いの解消につながることです。会社に所属している以上どのような行動が求められるのかを全従業員が認識しておくことはとても大事なことです。経営理念が定まっていることは、社員にとって行動の軸が決まっていることであり、迷いが消え、生産性の向上が期待できるでしょう。

二つ目は、経営理念が決まっていることにより、その理念に共感した人たちが集まってくるというブランディングの観点での恩恵です。求めていない人材が集まってしまうようなアンマッチな採用を省くことができます。

以上が、理念経営のメリットです。

理念経営のデメリット

次に理念経営のデメリットについて見ていきましょう。

理念経営のデメリットとは、全従業員がその理念を本質的には理解はできず、認識の齟齬が生まれる恐れがあることです。例えば、「潤いと活力ある地域を創るために貢献し続ける」という理念があったときに、「潤いと活力ある地域」とはどういう状態か、人それぞれ言葉の定義や認識がずれてしまいます。

なぜずれるのでしょうか。それは、一人ひとり生まれ育った環境や価値基準が異なるためです。

お客様という言葉一つとってもそうです。既にご契約済みの人だけをお客様と認識する人もいれば、まだご契約はしていないが話を聞いてもらった人も含めてお客様と定義する人もいます。

要するに、理念経営のデメリットは、会社が社員に対して求めることを社員が正しく理解できなくなることです。

経営者と同じ時間軸に社員は立てない

経営者が5年先、10年先の会社の姿を思い浮かべて打ち出した経営理念の意義を、同じ時間軸で社員が理解するということはできません。

会社に責任を負っていないパートタイマーや一般社員が、経営者と同じように将来を考慮することは難しいからです。どれだけ遠い未来を見据えて行動できるかは、背負っている責任の重さに比例します。

理念を掲げること自体は問題ありません。その理念を掲げたとしても、全従業員がその意味や意義を理解できるとは思わないようにしなければならないということです。

これらを勘違いして、「理念を理解してもらうことが大事だ」との考えから、一生懸命その思いを社員に語るような行動を取ってはならないということです。社員がそのメッセージを誤って受け取ってしまい、今目の前の業務が理念と結びついていないから業務の遂行を拒否するというような、利己的な解釈をする従業員が出てきてしまいかねません。

経営理念をもとに具体的な目標を定めよう

経営理念を掲げた後は、それをもとにどのような行動をすべきか具体的に策定しましょう。例えば、経営理念が「潤いと活力ある地域を創る」という会社であれば、「1年後までに自社サービスの利用者数を2000社にする」だったり、「自社サービスの利用額である売上高を1年後に2億円にする」だったり、経営理念をベースにして具体的にどういう状態になっているのかを目標として定め、全従業員の認識がずれないようにしておくことが大事です。

今回は理念経営についてのメリットとデメリットについてお伝えしました。理念経営においては、経営理念が実現されるとはどういう状態なのか、認識がずれないようにしておく必要があります。全従業員が迷わず行動できるような組織をつくり上げてください。

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