- 部下に指示を出しても、平気で逆らってくる
- 指示の背景や意図などを、いちいち細かく説明しないと動かない
- 指示の内容について、できない理由を並べてくる
これらは、ある会社で実際に起きている問題ですが、あなたの会社では似たようなことが発生していないでしょうか?
今回は、部下があなたの指示に従わない理由と、その解決策をご紹介します。
目次
指示に従わないたった1つの理由
まず前提として、部下が上司の指示を無視したり、逆らったりするのは、明らかに間違った行動です。なぜなら、それは部下にとって利益とならないからです。
会社組織に所属している以上、部下は、上司からの評価を高めることによってのみ、より高い給与や地位を手にすることができます。
逆に、上司からの評価が下がってしまえば、その部下は、どんなに自分が良いことをしたと思っていても、より高い給与や地位は得られなくなります。
すなわち、部下自身の「自己評価」に意味はなく、上司からの「他者評価」によってのみ、部下は利益を獲得できるということであり、これが事実です。
にもかかわらず、なぜ、部下は上司の指示に従わないのでしょうか?
それは、この事実の仕組みを誤解しているからです。本来、上司の指示に従わないことは、自らの利益を損ねる行為です。しかし、上司側がそのことを部下に正しく認識させることができていない場合、部下はそれを平気でやってしまいます。
部下との距離感を一定に保つ
では、どのようにすれば、この事実の仕組みを認識させることができるでしょうか。実はそのためには、上司が日々の言動を正していく必要があります。
例えば、未達成だった部下に対して、あなたはどのような声をかけるでしょうか?
「あんなに遅くまで頑張ったんだから仕方ないよ!次頑張ろう!」
上記のように、寄り添うような声かけをしている方が多いかもしれませんが、実はあまり良くありません。正しくは、
「今回の未達成の原因をどう捉えて、次は何を変えていくの?」です。
すなわち、「結果を出さなければ上司から高い評価を得られなくなる」という意識を持たせることで、意識上の「上司-部下」の関係ができあがり、指示が通りやすくなります。
逆に、部下が「頑張ったのだから仕方がない」「未達でもあの上司だったら許してくれそうだ」などといった意識を持ってしまうと、仮に上司の指示が自分にとって不都合だった時、「従わなくても許されるだろう」という意識に繋がってしまいます。
世間では、「風通しの良い組織」が持てはやされることもありますが、組織として成果を上げるためには、上司-部下間の一定の距離感が必要になるのです。
まとめ
「上司の指示は絶対だ」などと言うと暴論のように聞こえますが、上司は自らに与えられた責任を果たすために、部下に指示を出します。一方で、その責任は部下個人にはありません。この責任の有無が上司と部下の違いです。
だからこそ、上司側はその責任を果たすために、部下を指示通りに動かさなくてはなりません。
もちろん、時には上司が間違っていることもあるでしょう。しかし、その際は、指示を変更すれば良いだけです。
部下と距離を保つことには、はじめは抵抗を感じるかもしれませんが、結果的にそれが上司と部下お互いにとっての利益になります。
上司の立場にいる方は、ぜひこれを意識して部下と接してみてください。