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組織を強くするためにあえて”現場から離れる”ことを決意|株式会社NIRAI 代表取締役 久保田圭司 氏

東京・芝浦に、100席規模の『BAGUS BAR』と30席規模の『Seed』という飲食店2店舗、およびフラダンス/タヒチアンダンス関連の衣装・雑貨ショップ『Rulu Tiare』を展開している、株式会社NIRAI。

2019年12月に『Seed』をオープンさせた直後、新型コロナウイルス感染拡大が起こり、営業に大きな制約が課された。今後の業容拡大を目論んでいた中、この事態を乗り越えていくためにも組織を強くしていきたいとコンサルティングを探し、識学と出合う。

識学シニア講師である入澤勇紀の無料セッションを体験し、導入を即決したという久保田氏と入澤が、識学導入の経緯や導入後の変化について語り合った。

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コロナ禍を機に、現場を抜けて経営に徹することを決断

入澤 はじめに、久保田さんがNIRAIの経営に関して感じていた課題感から、改めてお聞かせください。

久保田 僕は長く飲食店で働いた後、独立してNIRAIを創業し、2017年から1店舗目の『BAGUS BAR』の運営を始めました。そして、2019年12月12日に2店舗目の『Seed』をオープンさせた直後、新型コロナウイルスのパンデミックが始まってしまったんです。

4月からの緊急事態宣言で、感染対策のために営業時間の短縮など様々な制約が課されました。それ以上に人の流れが激減し、大きな打撃を受ける形になってしまいました。

それまでずっと現場に入っていましたが、営業時間が制限される中で今何ができるかを考える時間ができました。そこで、今後NIRAIを拡大させていくためにコロナの今こそ組織を強くしようと考え、この先、自分は経営に徹するために現場から離れることを決めました。 当時、スタッフは正社員が10名でアルバイトが5名ほどでした。それまでは自分が現場に入って指揮を取っていたので問題は感じていなかったのですが、ただでさえコロナで先行きが不透明な中、自分が現場から抜けたらどうなるのか不安になったんです。

入澤 店を任せられる人材はいたけれども、その人たちの力をどれだけ伸ばせるかが、自分が現場から抜ける上で一番のポイントだと。そう考えて、どうすればいいかを学ぼうとコンサルティングサービスを探したわけですね。

久保田 そうですね。ネットで調べていくつか無料のオンラインセミナーを受講しました。そんな中に識学があったんです。

入澤 第一印象はどんな感じでしたか?

久保田 マネジメントや組織づくりへの悩みに刺さるタイトルが目に入って、すぐ無料セミナーを受講しました。その話に自分の中にはないものを与えてもらえそうで、すごく面白く感じたんです。それで、識学の安藤社長の『リーダーの仮面』という著書を取り寄せて読みました。

こうした識学の考え方を自社に取り入れたらどんな効果があるんだろうと興味が湧きましたね。そこで、5月の半ばに無料セッションを申し込んだのです。

無料セッションのゴールは、受講者に「有益だった」と実感してもらうこと

入澤 その無料セッションを私が担当させてもらいました。「はじめまして」からでしたが、久保田さんは知りたいことを紙に書いて持参していらしたので、まずは久保田さんの抱えている課題をざっと聞かせてもらいました。

そんな会話の中で、久保田さんが会社や店ではカリスマ的な存在で、居るだけで店の中はうまく回せているのだろうと感じました。ただ、久保田さんが居るだけで回せるのは、せいぜい2~3店舗までのことだろうと思いました。そこがNIRAIさんの最大の弱点だろうと。

そこで、「今後店を増やしていった時にどう回していくかイメージできていますか?」と問いかけて、弱点であることに気づいてもらおうと考えたわけです。その流れの中で、識学で何ができるかをお話ししました。

私の場合、1時間の無料セッションでも、お客様に「有益な時間だった」と実感してお帰りいただきたいと考えて取り組んでいます。もちろん、正式な識学トレーニングの受注に繋がれば理想的ですが、繋がらなくてもせっかくやるのならば何か持ち帰っていただきたいと考えているからです。

久保田 そのやり取りで、「まずは識学に飛び込んでみよう」と思えたので、識学トレーニングの受講申し込みを即決しました。

入澤 ちなみに、ほかのコンサルティングは試してみたのですか?

久保田 識学以外のコンサルティングサービスに、特に刺さるものは見つかりませんでした。一方、飲食系専門のコンサルティング会社の無料セミナーをいくつか受講してみました。飲食業界が長い自分には納得できる内容でしたし、自分の考えの正しさを確認できる機会になりました。

けれども、既視感というか、想定の範囲内といった感じで、自分を変えていくことには繋がらないように思えたのです。

入澤 自分を変えたいという想いからの外部コンサルティング受講ですからね。

久保田 そうですね。変えたら自分と会社がどうなるのかに一番興味がありました。

識学が「どんなプラスアルファをもたらすか」が楽しみに感じた

入澤 安藤の著書や無料セッションなどから、識学にはどんな効果があると感じていただけたのでしょうか?

久保田 そもそも飲食サービス業をやっていく中で、自分が現場に入って「いかにお客様に喜んでもらい、また来てもらえるか」を目標に取り組んできたわけです。

そのやり方は自分の感覚的なものであって、スタッフに正確に伝えるための言語化や数値化はできないものかと常々感じていました。

どうすれば自分の考えや、やり方をスタッフにうまく伝えられるかを探していたわけです。そんなところにコロナが起き、時間ができて具体的に動いた中で識学と出合った。識学を学ぶことで、何か正解が見えてくるのではないかという期待を持てたという感じですね。

そして、入澤さんにそのあたりのことを話すと「大丈夫です!」と自信を持って断言されたので、受講を即決しました。

入澤 久保田さんは、飲食サービス業における感覚的な運営について「飲食業とはそんなもの」といった言葉で、諦めというか決めつけているニュアンスを感じました。また、識学に対して半信半疑であることも感じたわけです。

しかしながら、自分がこれまで識学で何人かの経営者を変えてきた実績を重ね合わせれば、久保田さんの考え方も変えられると思えました。識学はロジカルなものですが、最初にこちらを信じてもらうことが大事だと考えて、あえて気持ちを込めて「大丈夫です!」と言いました。その言葉が印象に残っているわけですね。

久保田 そのとおりです。そもそも、本を読む以外、外部のコンサルティングを入れるのは初めてのことです。今まで自分が大事にしてきたものに識学はどんなプラスアルファをもたらしてもらえるか、楽しみに思えましたね。

「完全結果」を目指すことが自社の土台づくりに繋がる

入澤 実際に識学トレーニングが始まって、12回中9回を消化した段階です。今までのところ、どういった感想をお持ちですか?

久保田 まだ途中なのでどこまで理解できているかはわかりませんが、例えば「完全結果」という、目指す期限と状態が明確で私とスタッフとの間に認識のずれがない状態をつくるべきという識学の考え方が、NIRAIの土台づくりに繋がると感じています。

飲食業ではいろいろな正解があり、人によってその基準は違うのでスタッフ任せになっていた部分があります。そこに「完全結果」を入れ込んだらどうなるかを整理し始めているところです。店長クラスとも「ルールをつくっていこう」とミーティングを始めました。

入澤 いいですね!ありがとうございます。でも始めの1、2回目は半信半疑どころではない、“疑”のほうが大きい様子でしたね?(笑)

久保田 納得したかったので、バンバン質問していたからだと思います、「そんなんで本当に変わるんですか ?!」って(笑)

入澤 全12回で徐々に仕上がるように設計されているので、1、2回目からいきなり「なるほど!」とはならないのは無理もありません。しかし、マネジメントを変えないとスタッフは成長できないことが徐々に理解できるようになったのではないかと思います。

久保田 そうですね。トレーニングは1時間ですが、足りないです。聞きたいことが一杯あって。

入澤 そう言っていただけると嬉しいですね。ところで、識学では上司と部下の間の認識のギャップを生み、「完全結果」を毀損することになる情緒的なコミュニケーションを否定していますが、それが家族的な経営の否定に繋がると受け止める人がいます。

飲食業の場合、雰囲気を大切にするために家族的経営をするオーナーが多いと思いますが、その点久保田さんはどう考えていますか?

久保田 僕も、これまで何かあったら「飲みに行くぞ!」とスタッフを連れ出して鼓舞するようなタイプでした。識学を学び始めて、スタッフを幸せにするためには組織を強くしていく必要があり、そのための違うやり方もあるのではないかと思うようになっています。

つまり、売上拡大を含めた明確な目標を定め、「それを達成していく強いチームをつくることが必要だ」と。そのための土台づくりに、識学が役に立つと感じているところです。

経営者の使命は「社員の市場価値向上に努めること」

入澤 識学は家族的経営を否定しているわけではありません。その家族的経営のおいしいお店が1店舗しかないことがもったいないと考えるのです。同じお店が10店舗まで増えれば、10倍人をハッピーにできますから。また、そうしていきたいと考えるオーナーも多いのではないかと思うのです。

今までのやり方でそのようにスケールさせていくことが果たしてできるか。そこに識学が役立てる余地があるということです。

また、終身雇用が希薄になっている今、その店や組織だけに認められる存在であることが本人にとって必ずしもハッピーではないという現実もあります。

その店で5年間、オーナーに認められるように頑張ったけれども、それがどんな市場価値に繋がっているのかを冷静に考える必要がある。

逆に、オーナーはスタッフを本当に大切に思うなら、次の店に移るとなった際によりいい条件で迎え入れられるように育てるべきでしょう。「NIRAI出身でよかった」と思ってもらえるような組織づくりが重要だと思います。

久保田さんは、組織を強くする中で離脱する人が出ることをどう受け止めますか?

久保田 高校時代に野球の部活をやっていまして、「甲子園に行こう!」という目標に向かって頑張っていました。

「甲子園に行く」という目標があるから厳しい練習にも耐えられました。一方で気持ちが追いつかず耐えられなかった部員が辞めていったのは仕方がなかったと思い直しています。それと同様のことが、これからのNIRAIで始まることになると思います。

入澤 合わなければ離脱することは、お互いの幸せのためです。合わないのにいつまでも居続けることは周囲のスタッフにとってもよくありません。愛情がベースにあれば、全員の幸せを考えると思います。それが識学の基本でもあります。

久保田 同感です。
入澤 お時間頂き、ありがとうございました。

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