
三井物産セキュアディレクション株式会社 代表取締役社長 鈴木 大山様
三井物産セキュアディレクション株式会社(MBSD)は、国内のサイバーセキュリティ業界においてトップレベルの技術力を備えたスペシャリスト集団。これにより、セキュリティ製品導入だけではカバーできない強固なセキュリティ対策を実現するプロフェッショナルサービスを提供しています。
大手企業のグループ会社として、識学を組織マネジメント強化のために導入。役割の明確化を通じて、経営課題に組織的に取り組む体制づくりに繋げています。
| 会社名 | 三井物産セキュアディレクション株式会社 |
| 所在地 | 東京都中央区日本橋人形町1丁目14番8号 JP水天宮前ビル6階 |
| 代表者名 | 鈴木 大山 |
| 事業内容 | サイバーセキュリティに関するプロフェッショナルサービス・マネージドサービス・コンサルティングサービス |
| 企業サイト | https://www.mbsd.jp/ |
目次
“凄腕スペシャリスト集団”ゆえに個人の意見が優先されがち
ー識学導入前の課題についてお教えください。
当社は大手企業向けに、サイバーセキュリティ対策のプロフェッショナルサービスを提供している企業です。攻撃者は、セキュリティ対策製品による防御をかいくぐってきますので、プロの力が絶対的に必要です。当社のエンジニアは国内のサイバーセキュリティ業界においてトップレベルの技術力を備えていると評価されており、言わば“凄腕のスペシャリスト集団”といった特徴があります。
個の強い人材が当社の資産ですので、組織運営においては個性豊かな人材にどう活躍してもらうかというピープルマネジメントに主眼を置いています。
しかしながら、2020年10月に私が三井物産から副社長として赴任した時点で、200名を超える組織となっており、組織マネジメントの観点も強化が必要であると感じていました。
ーどういった事象があったのでしょうか?
優秀であるがゆえに、個人の意見が優先されがちな面がありました。それは個の強みを発揮できるという意味で特徴であり、大切なことではあるのですが、組織が個人の集合体のようになりがちで、組織としての力を発揮しきれていなかったり、時にその風土に馴染めず離職されてしまう人もいました。“人の三井”として、人材が資産の会社です。本来は一人たりとも離職してもらいたくはありません。
また、業界トップクラスである現在は良いとしても、セキュリティを巡る環境や業界が激しく変化する中で、近い将来は新しいサービスや役割が求められることが予見できます。そういった状況の中で、今までと同じ強み、同じ仕事の仕方で良いのか、という課題認識もありました。新たなサービスや新たな顧客ニーズに対応していく取り組みを個に委ねたままにするのではなく、組織的に取り組んでいく必要性を感じていました。

独自に『大山塾』を企画・運営
ーそうした課題に対して、どんな打ち手を講じられたのですか?
“凄腕のスペシャリスト集団”である半面、組織運営の経験がある者は限られていたという状況がありました。そこで、社長に就任した2021年10月以降、管理職クラスを集めて『大山塾』を始めたのです。
過去の関係会社経営や、三井物産の経営企画や人事部門での業務経験で、ある程度のマネジメントのノウハウは持っているつもりでした。そこで、そうした知見を基に管理職の役割、人材育成の方法、組織運営のノウハウといった切り口からMBSDの実態に合わせる形でのプログラムを独自につくりました。私自らが講師となって、マネジメントの在り方を考えてもらったのです。
ー外部のサービスは利用されなかったのですか?
一部、コーチングを依頼しましたが、そのプログラムの中身も事前に講師とすり合わせて当社にマッチするオリジナル研修を実施してもらいました。
私は、こうした外部サービスはそのまま導入するよりは、講師が当社の課題や特性を把握し、自社に必要な形でアレンジして導入するのが最も効果的であると考えています。
ー識学は、どのようにして導入頂いたのでしょうか?
『大山塾』には一定の手応えを感じていたのですが、自己評価は「70点」でした。まだどこか属人的な部分が残っていて、改善が大きく進んだ一方、同じ課題が継続している側面も残っていました。
そんな2023年の5月頃、ある執行役員が「識学を知っていますか?」と言ってきました。実は、識学の存在は知っていたのですが、中身まではよく知りませんでした。そこで早速識学について詳しく聞いたのです。その話から、欠けている30点をカバーできるのではないかと確信し、まずは私自身がマスタートレーニングを受講することを即決しました。

識学理論によって、考え方が明確に言語化
ー実際に受講されていかがでしたか? また、その後、識学をどのように導入されていきましたか?
私としては、「結果点を明確にする」「役割を明確にし、権限の有無を確認する」「途中介入しない」という識学理論によって、モヤモヤしていた考え方が明確に言語化されました。「なるほど!」と腹落ちさせることができました。そして、自分の考えをよりシャープに話せるようになりました。
その後、執行役員や本部長、部長クラスに識学トレーニングを行い、2026年6月からマネージャーへのトレーニングを開始したところです。
ーこれまでのところで、どういった効用が現れていますか?
組織マネジメントの解像度が高まり、組織としての生産性が高まっていると感じます。受講した組織長のマネジメント意識が向上し、個々の役割を明確にし、PDCAも行われるようになり、組織の活動が効率的、かつ明確になってきています。
当社におけるマネジメントのフレームワークとして、「Will・Can・Must」を重視していますが、圧倒的に“Will”や“Can”が強かったのです。だからこそピープルマネジメントに偏っていたわけですが、組織として大切にすべき方向性の議論機会が増え、その結果、組織として大切な“Must”を考え、それを個人の役割に落としていく動きが始まっています。
これまでは定量的な数値目標の達成が中心になりがちで、定性的な目標達成は後回しになりがちでした。現在は、新サービス開発、新領域開拓、人材育成といった定性的な目標も、組織として着実に取り組むことができています。
個々のメンバーが組織の方向性について健全な議論を行い、組織の方向性と個人の強みを組合せることで、より円滑な組織運営が可能となり、結果的に業績やエンゲージメントに効果が大きいと確信しています。

自社ならではの方法論が重要
ー三井物産には、長い歴史や経営理念などを踏まえた、確立された組織運営の考え方があるのではないかと思います。そうした中で、識学という独自の組織マネジメント理論を取り入れることに問題はありませんでしたか?
社員数が増加し、業績も右肩上がりです。一方、今後の環境変化への対応や、社員数増に伴う組織運営を課題認識していました。当社や三井物産グループとしての経営理念はベースとしながら、識学は組織運営力を高めていく上でとても有効なマネージメントソリューションでした。
組織運営において、識学は大いに活用すべきと考えています。総合商社にとって事業会社経営は重要なテーマですが、各事業会社にはそれぞれ特徴があり、それに応じてのオリジナルな組織運営を工夫する必要があります。識学は組織マネジメントの基礎を構築する上で非常に有効です。具体的には、トレーニングの中でコンサルタントの方と壁打ちを行うことで、自社ならではの組織マネジメントの在り方を固めていくことができました。
ー識学の方法論を全面的に導入するのではないという位置づけですね。
大事なのは識学で組織マネジメントの基礎を学んだうえで、自社にマッチした組織マネジメントを経営者や管理職自らが考え、確立していくことだと考えています。例えば、識学の基本的施策である「姿勢のルール」についても、すべてそのまま導入したわけではありません。「会議は終了時間の1分前に終える」というルールを一つ取り入れているのみです。一方、各個人の役割や結果点を明確にしていくことは重要です。プロフェッショナルである個人の強みを活かしながら、組織運営をしていくことが大切であり、ルールで個人の行動を規制し過ぎては、本来持つ社員の良さや主体性を失ってしまいます。
PDCAを繰り返しながら理解と浸透へ
ーでは、今後のさらなる課題やビジョンについてお教えください。
これから管理職が識学のトレーニングを受講することで、組織マネジメントは明確に改善されると思います。今後は、個を活かすピープルマネジメントと、組織マネジメントを両輪とすることで、会社も個人も成長できる環境を作っていきたいですね。
直近では、日頃伝えている経営方針と大山塾、識学を統合した「管理職への役割期待」をドキュメントに纏め配布しました。これに基づいた研修も行うことで認識を合わせ、PDCAを繰り返しながら理解と浸透、組織力向上を図っていきたいと考えています。
ー最後に、組織マネジメントに悩む読者にメッセージをお願いします。
組織マネジメントは臨機応変に取り組む必要があるからこそ、識学を通じて組織マネジメントの基本を学ぶことが大事だと思っています。組織運営の効率を高めるために必要な要素が、確りと論理的に組み込まれていると思うからです。

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