
「評価制度は整えたほうがいい」とわかっていても、入れた後に何がどう変わるのかは、外からは見えにくいものです。識学が導入企業を対象に実施した経営指標アンケート(サービス導入1年以上・205社対象、回答期間2025年10月〜2026年6月)には、評価制度をめぐる経営者・社員の自由記述が数多く寄せられました。本記事では、その“本音”を、きれいな成功談だけでなく正直な戸惑いも含めてご紹介します。数字の詳細よりも、まず「現場でどう受け止められているか」を知りたい方に向けた内容です。
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目次
「なんとなくの昇給」が終わる
多くの会社において、社員の評価や給与の決定は経営者や上司の「感覚」に委ねられています。明確な基準がない状態では、社員は何をどれだけ頑張れば報われるのかが分からず、日々の業務に対するモチベーションや努力の方向性を失ってしまいます。
◆ 感覚のズレがなくなる
ある導入企業は、こう振り返ります。
「役割や目的、自身のやるべきことが明確になりました。」 ― 識学 経営指標アンケート回答より
(※本コメントは識学導入企業の回答の一例であり、全体の傾向を示すものではありません)
これまでは感覚や年功序列で行われていた昇給の見直しや制度の構築が進んだことで、実際に給与に反映される前であっても、社員の意識が「やるべき仕事」へと向かい始めている様子がうかがえます。
▶ 識学の視点: 評価とは、識学でいう「尺度(物差し)」です。尺度が曖昧なままだと、社員は「何を頑張れば報われるのか」がわからず、努力の方向が定まりません。評価を数値と事実に置き換えると、評価は“感覚”から“尺度”へと変わります。

◆ 定性評価から数値評価への転換
別の企業は、曖昧だった評価基準そのものを数値化によって打破したと語りました。
「大幅に変化がありました。評価制度は一部営業職やメカニックを除いてすべて定性評価で曖昧でした。年功序列も色濃く残っていました。それらが「評価が数値化された」ので役割が明確になり、離職率の改善につながった。」
― 識学 経営指標アンケート回答より
(※本コメントは識学導入企業の回答の一例であり、全体の傾向を示すものではありません)
それまで色濃く残っていた年功序列や主観の混じる定性評価を、主観に左右されない基準に置き換え、評価を「数値化」したことで、組織が大きく変化した好例です。
▶ 識学の視点: ここで起きているのは、プロセスや頑張りといった曖昧なものを評価するのではなく、「結果の定義」を先に決めるという転換です。識学ではこれを「完全結果」と呼びます。何を・どこまでやれば達成なのかが数値によって先に共有されているからこそ、評価は上司の主観に左右される揉めごとではなく、淡々とした「確認作業」といえます。
変わるのは評価だけではない
評価制度を構築し、正しく運用し始めると、実は社内の仕組みだけでなく組織全体の空気感にも大きな変化が現れ始めます。最も顕著に動くのが、社員一人ひとりの「役割」の認識です。
◆ 結果目標の明確化が健全な競争を生む
実際の導入企業からは、以下のような前向きな声が挙がっています。
「全く評価制度がなかったので明確に変化しました。結果目標が明確になり、給与に反映されることで健全な競争が起きました。」― 識学 経営指標アンケート回答より
(※本コメントは識学導入企業の回答の一例であり、全体の傾向を示すものではありません)
▶ 識学の視点:これは偶然ではありません。評価基準をつくる作業は、裏を返せば「誰が・何を・どこまでやるのか」を定義する作業(役割定義)だからです。役割が言語化されることで、社員は何に集中すればよいかが明確になり、余計な迷いが減ります。給与への反映を待たずに行動が変わり始めるのは、この役割の輪郭がはっきりするからです。
さらに、この役割の明確化と公正な評価の可視化は、社員の「定着率」にも好影響を及ぼします。
◆ 定期的な評価の可視化が、離職率の低下につながる
別の企業では、このような声も挙がっています。
「3か月ごとに評価制度を実施することで、評価の可視化ができ、入社間もないミスマッチを除いた離職率の低下につながっています」― 識学 経営指標アンケート回答より
(※本コメントは識学導入企業の回答の一例であり、全体の傾向を示すものではありません)
▶ 識学の視点:評価を3か月ごとに実施し、基準を可視化し続けることで、社員は自分がどう行動すべきかを継続的に把握できるようになります。評価の運用を止めないことが、入社間もない時期のミスマッチを除いた離職率の低下につながったと考えられます。
弊社が行った「組織アセスメント 経営指標アンケート」(2025年10月〜2026年6月、サービス導入1年以上の企業が対象)でも、評価制度を整備した企業は、未整備の企業と比べて「離職率が下がった」と回答した割合が+10.0pt(N=176)、「残業が減った」と回答した割合が+5.4pt(N=111)高くなっています(各社の自己申告に基づく傾向であり、効果を保証するものではありません)。評価制度は短期の業績指標よりも、まず組織の健全化に関する回答結果として表れやすい傾向がうかがえます。

正直に言うと―「反発」もある
◆ 評価が変わることへの戸惑いも
もちろん、いいことばかりではありません。
「評価制度の導入に伴い、自分がやるべき仕事が明確になり、やりやすくなっています。ただ一方で、評価制度に反発する職員もいます」― 識学 経営指標アンケート回答より
(※本コメントは識学導入企業の回答の一例であり、全体の傾向を示すものではありません)
▶ 識学の視点:これは”失敗”ではなく、評価の基準が機能し始めた証拠と言えます。定性的な評価では高い評価を得ていた方も、定量的な評価に代わることで、これまでと同じ行動では評価が変わる場面が出てきます。その変化に対応できる方はさらに成長し、組織に貢献していきます。一方で、変化への対応が難しいメンバーや職員は離脱につながることもあります。同じ調査でも「良くなった点と気になる点の両方」を挙げる企業が一定数あり、組織が変わる過程の一時的な痛みであることがうかがえます。
◆ 評価者を一本化した効果
こうした変化を円滑に進める鍵は、誰が評価するかを一本化することです。
「それまでは360度評価・相互評価をしていましたが、現在は識学の考えに基づき、評価は上長のみが行うものとして運用しています」― 識学 経営指標アンケート回答より
(※本コメントは識学導入企業の回答の一例であり、全体の傾向を示すものではありません)
▶ 識学の視点:全員で評価し合う仕組みは、責任の所在が曖昧になりやすい側面があります。誰が評価するのかを一本化することは、評価責任の所在を明確にすることであり、評価への納得感を支える土台になります。
まとめ
これらの声に共通するのは、評価制度が「給与を決める道具」ではなく「組織の尺度をつくる取り組み」として受け止められている点です。まず役割と基準が変わり、定着や成果は後からついてきます。そして、その過程には多少の摩擦が伴います——導入企業の本音は、その“順番”を教えてくれます。
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※本記事の声は、識学導入企業を対象とした調査(回答期間:2025年10月〜2026年6月/サービス導入1年以上の企業が対象)の自由記述より抜粋し、匿名化しています。数値は同調査に基づき、有効回答数は指標ごとに異なります(本文中の脚注をご参照ください)。
※出所:株式会社識学「組織アセスメント 経営指標アンケート」(回答期間:2025年10月〜2026年6月/サービス導入1年以上の企業が対象/有効回答数は指標ごとに異なる)。各社の自己申告に基づく回答であり、識学サービスの効果を保証・約束するものではありません。
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