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識学導入事例 2026.04.22

仕組み化の徹底により、開業2年未満で業績が向上

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仕組み化の徹底により、開業2年未満で業績が向上

沖縄北あんしん内科クリニック 院長 山口 怜様 / 事務長 山口しずか様

沖縄北あんしん内科クリニックは、開業時から組織の統制が取れない状態に陥り、院長の過重労働やスタッフ流出の危機にあった。そうした中、書籍で知った識学を導入し、仕組み化・ルール化を徹底。これによる生産性の向上で、経営難といわれるクリニックにおいて開業2年目に月1,800万円売上を達成している。

会社名沖縄北あんしん内科クリニック
所在地山口県柳井市沖縄県沖縄市知花6-23-22誠マンション1F
代表者名山口 怜
事業内容内科クリニックの運営
企業サイトhttps://okinawa-anshin-clinic.com/

秩序のない状態で開業、混乱

――貴クリニックを開業された経緯や当時の状況をお教えください。

院長 山口 怜様(以下、山口様):私はそれまで沖縄市の総合病院に循環器内科医長として勤務していましたが、大学院、留学、専門医の次のセカンドキャリアとして開業を考え、2024年1月に総合病院のすぐ近くに物件を見つけて開業しました。その総合病院には代わりになる医師が不在で、私が約1,000名のかかりつけの患者様の7割を引き継ぐ形で開業できたのです。

スタッフは、総合病院の中で信頼しているメンバーに頭を下げ続けて何とか集め、8名でスタートしました。一方、心臓疾患を抱える患者様が多いことから外来の間隔を開けることができず、開業準備に時間をかけることができませんでした。通常1ヶ月かかると言われる準備期間ですが、2週間で立ち上げることになりました。

開業に当たって、クリニックの運営については、スタッフの個性を重視して行えばいいということぐらいしか考えていませんでした。と言うのも、自分が専門医としての知識を習得しているという自信があったからです。

しかし、その考えが裏目に出ました。開業準備期間中、ある女性スタッフのネイルの装飾が甚だしく、爪床から数センチも飛び出しており、その表面には華美な装飾が施されていたのです。それを見咎めた別のスタッフらが私に疑問を言いに来た際に、私は「個性を活かせるように考えればよいのではないか?」と答えてしまいました。当然、患者様からの信頼を損ねることから受け入れられないというスタッフも出てきました。些細なことではありましたが、院長がルールを不明確にしてしまったことで、一気に雰囲気が悪くなりました。

一方、取引銀行から紹介されたコンサルティング会社が開業準備期間に研修を行い、ホラクラシー*型組織を目指すという方針を打ち出しました。組織運営や経営計画自体を個々が考えるといった組織風土が良いという風潮が一気に広まる中、組織マネジメントに意識が及ばなかった私は、給料設定も社労士任せでした。スタッフに「わからないことは直接社労士に聞いてほしい」と言ってしまったことから、社労士に給料やボーナスの交渉をする者もいたのです。開業準備を続ける中で、院長自身が業務の割り振りを職員に任せていたため、わずか8名という小さい組織なのに、業務の責任分界点が明確でないことに端を発し、その結果、チーム同士が一つの業務を巡ってどちらがやるべきかといった主張をし合い、ギクシャクすることもありました。まさに秩序のない状態で開業を迎えてしまったのです。

※ホラクラシー:ヒエラルキーが存在せず、意思決定権が個人やチームに分散されたフラットで自律的な組織形態。

――開業後はどういった状況でしたか?

山口様:初日に28名の患者様が来院し、忙しくなりました。そんな中で私は患者様のためになることなら当然と考え、いきなりスタッフに様々な業務を指示してしまいました。例えば、かかりつけの患者様が新型コロナ感染症で来院された際に、近隣の入院施設と調整をしてもベッドに空きがなく、点滴治療薬を訪問看護ステーションに渡して注射してもらうという負荷のかかる指示を、忙しく働いているスタッフに出したのです。医師としては患者様に必要な指示をしたと思いましたが、次の日に、2名のスタッフから退職届が出されました。今思えば、患者様のために行う医療行為であっても、マニュアルやルールがない指示を出した事自体に気づき、院長として、それらを管理していく姿勢が大事でした。けれども、当時は患者様のためにと思った指示がとおらないことに苛立ちを感じ、私もつい感情的になり、アンガーマネジメントができていない状態でした。

そもそもの業務の仕組み化や業務の責任分界点も不明確なままだったので、診療時間が終了後の残務もかなりある状態でした。例えば、レセプトという、国保や社保に保険診療分の医療費を請求する明細書をチェックする業務があるのですが、誰がいつやるかを決めていなかったので、仕方なく私が全部やりました。紹介状の返信などほかに溜まった業務も併せて、毎晩夜中まで帰れない状態が続いたのです。

院長が突然指示を出すと感じていたスタッフたちは疲弊しており、フラストレーションが相当溜まっていました。ある時、妻である事務長に次いでナンバー3のスタッフから、私への不満が延々と書かれた5~6枚の紙を渡されました。そこには、「改善されなければ全員辞める」といった旨が書かれていたのです。

一旦は、朝礼でスタッフ全員に自分の不出来を謝罪した形で引き留めましたが、本質的な解決にはなっていませんでした。また、同じことをくりかえすのではないかと不安になり途方にくれて、帰属意識やモチベーションを高めようと、揃いのTシャツやステッカーを企画するなど、今思えば筋違いなこともしました。そして、藁をもすがる思いで、書店で参考になりそうな本を買い込んだのです。

「姿勢のルール」で識学の効用を確信

――その本の中に、識学の『リーダーの仮面』もあったのですね。

山口様:そのとおりです。2024年の8月頃ですが、最初サッと目をとおした時は「モチベーション管理は間違い」と正反対のことが書かれていたので、違和感を覚えました。当時は疲れ果てて「自分はリーダーに向いていない」と痛感していたせいか、『リーダーの仮面』の腰巻に書かれていた「いい人になるのはやめなさい」という言葉に惹かれて再読したのです。
コンサルタントも2社目と契約したのですが、組織の統率がとれておらず、本質的な問題解決には至っていないと考えていました。
識学で言う「位置」、つまり上下関係が当クリニックではできていないと感じました。
そこで、『リーダーの仮面』を忠実に実践することにしたのです。まずは「姿勢のルール」から実践してみようと思いました。朝出勤しても挨拶の声があまりせず雰囲気が悪いことも気になっていたので、出勤したら「おはようございます」と挨拶をすることと、私が仕事の合間によくコーヒーを飲むこともあり、スタッフが飲み物を飲む時は患者様から見えないようにする、という2つのルールです。これを朝礼で「今日からやり方を変えます。姿勢のルールという必ず守らなければならないルールを院内につくります。」と発表しました。

――どういった反応でしたか?

山口様:ポカーン、といった感じでしたね(笑)。何を今更、と。それでも、必要なルールとして決めたから守ってくださいと言いました。すると、次の日からみんな「おはようございます」と言うようになったのです。また、患者様に見えないように段ボール箱で水筒入れをつくり、みんながそこに置くようになりました。それを見て、「職場ってこういうふうにリーダーがつくっていくものなのだ」と初めて気づいたのです。これを機に識学の独学を始めて、ルール化などを進めていきました。

――独学から、正式に識学のコンサルティングをご導入頂いたのは、どういったお考えからですか?

山口様:本には実践的なトピック(各論)が書かれていると感じました。識学は正式には意識構造学というマネジメント理論ですから、本質の部分である総論から学び直す必要があると感じたのです。一貫性のある論理を身に着ければ、当クリニックに則した各論に展開しやすくなって組織運営がより盤石にできると考えたのです。そこで、12月にコンサルティングを申し込みました。

――その際に、不安や懸念はありませんでしたか?

山口様:事務長である妻に猛反対されました。それまで、2つの別のコンサルティングに結構な費用を投じていたからです。

事務長 山口しずか様(以下、しずか様):識学に対する「離職が増える」「軍隊式」などの極端に偏った口コミを目にして「怖い」とも思っていました。院長がのめり込んでいるので、なおさらそんな怖さが増幅されていたと思います。

山口様:それでも、もう人のことで悩みたくない、識学に頼るしかないと強く思っていたので、半ば押し切りました。とは言え、自分自身も識学の申し込み画面から戻るボタンを何度か押したほど躊躇しましたが、これをやめれば一生後悔する、自分へのクリスマスプレゼントだと思って決断しました。

仕組み化により、収益力を拡大

――実際に識学のコンサルティングを受講して、いかがでしたか?

山口様:結論を言えば、総論を学んで、識学理論が一貫性をもって理解できたと思います。そして、コンサルティングの上でKGIを決める必要があり、月1600人診療という目標をきめました。結論から言えば、2か月早い2025年10月に達成することができました。
医療機関は営利目的であってはいけないのですが、安定した地域医療提供体制には健全な経営状態を維持していく必要があります。

――その主な要因とは、どういったことでしたか?

山口様:まず、業務運営はすべてルール化し、ルールに書かれていないことは経営者である私が識学的に「未達」と認めて決められた期日までにルール化する、という基本を決めました。このルールは、もちろん私自身にも課しています。以前のように、患者さん様のためにとルールにないことを私がスタッフに要求する場合は、私の「未達」と表明しルール化するようになったので、スタッフにも納得してもらえるようになりました。

スタッフも、役割分担と期限が明確になったことで、ストレスなく動けるようになったと思います。その上で、できなくても「未達」として、どうすればできるかを考えて工程を分けて目標を決め直すといった調整を行いました。スタッフは未達でも私から怒られなくなったという安心感も生じたと思います。

業務効率化が進み、前日までに医療事務、看護師で外来の予習をすべての予約患者様に関して行うことができ、院内滞在時間の短縮につながりました。
待合室の患者様の数が減り、収容人数に余裕ができ、より多くの患者様を診察できるようになりました。

また、予約キャンセル防止も仕組み化しました。心疾患をお持ちの患者様をピックアップして、通院がない患者様にリマインドの通知をする仕組みを導入したのです。これで、識学導入前に最大13%あったキャンセル率が7%を切るまで半減しました。この数字はクリニックとして驚異的だと自負しています。

――そのほかの成果についてもお教えください。

しずか様:残業はさせない方針を取るようになり、直近の月間残業時間ゼロが5名、1時間未満が6名という状況です。離職率に関しましても、成長したスタッフが独立する形での退職はありましたが、ほぼゼロになりました。

――大きな成果に繋がっていますが、事務長であるしずか様の見方も変わりましたか?

しずか様:院長である主人は「組織は一番上が変わらなければ変われない」と言っていましたが、まさに院長が様変わりすることでスタッフの意識や行動が変わり、私の識学に対する見方も正反対に変わりましたね。

――最後に、今後のさらなる課題や目標についてお教えください。

山口様:昨今、診療報酬体型から赤字経営のクリニックが約4割であると報じられています。クリニック経営の難しさは、離職防止や採用といった人事面と収益力の向上にあると思います。収益力を高めなければスタッフの待遇を良くできないので、いかに効率よく運営し生産性を高めるかが最重要の課題です。院長はクリニックの経営者でもあるのですから、適宜、経営面の意思決定を行い、思ったとおりにスタッフを稼働させなければなりません。

だからこそ、院長の意思を組織の隅々に伝達させる仕組みが不可欠であり、これを実現させるのが識学理論だと思います。当クリニックがこれを実証している形です。

そこで私は、クリニックにおける識学活用アンバサダーとなって、同業者の経営支援に乗り出したいと考えています。そのためのツールとなるアプリも自ら開発しています。これによって、業界の健全な発展にも貢献していきたいですね。

#経営者
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