目次
プロフィール
河上 克之 様
株式会社海栄館
常務
株式会社海栄館で常務を務める河上様は、全国約20館を展開する旅館グループにおいて、識学を組織全体へ浸透させる役割を担っている。目指すのは「社員の幸せと成長」、そして観光業界の地位向上。その実現のために、感情に寄り添うマネジメントから距離を置き、仕組みで人を育てる経営へと転換した。識学導入から2年で平均年収100万円アップを達成した背景には、再現性ある組織づくりへの強い覚悟がある。
識学を“浸透させる役割”としての常務という立場
ーまずは、現在お勤めの会社やご自身の役割を教えてください。
株式会社海栄館は、地域の特性を生かした「記念日の宿」という共通コンセプトを掲げ、全国で約20館の旅館を運営している会社です。私は現在、海栄館グループで常務を務めながら、グループ全体に識学の考えを浸透させる役割も担っています。
ー“識学を浸透させる役割”とは?
弊社の理念が「社員に幸せと成長を与え、観光業界の地位向上に貢献する」こと。その目標のひとつとして“働く人たちの平均年収を上げたい”というのがあります。そのために必要なのが識学なんです。お給料を上げるためには会社の利益を上げなければならない。利益を上げるためには社員一人ひとりが成長する必要がある。実際に、識学を導入後、2年で社員の平均年収100万円アップを達成しました。今後さらに上げていくために、組織の土台を固めているところです。
「自己実現」としての仕事と、仕組みへのこだわり
ー仕事とは、どのような存在ですか?
私にとって仕事は「自己実現の場」です。自己実現のイメージとしては、“人に頼らない仕組みをつくり、誰がやっても再現性のある組織を作る”こと。ホテル奥道後時代、2012年に民事再生を経験し、「企業は仕組みがなければまた同じ問題を繰り返す」という現実を痛感しました。だからこそ、仕組みづくりにこだわりたいんです。
ー識学導入前と今を振り返って、どんな変化がありましたか?
以前は“感情のマネジメント”をしていました。「みんなで頑張ろう」「寄り添おう」といった接し方はやりがいもありましたが、部下が本当に成長していたかというと疑問が残るんです。識学を学び、あえて“距離を置く”という選択をしたところ、部下の成長スピードは明らかに変わりました。最初の3ヶ月ほどは寂しさもありましたが、「これが仕組みの力か」と気づいた瞬間でした。

「楽しく働く」から「成長が循環する組織」へ
ー成果を出すための姿勢は識学導入でどう変わりましたか?
以前は「みんなが楽しく働けること」が成果だと思っていましたが、今は違います。成果とは “一人ひとりが成長し、組織も成長する”こと。評価制度が整ったことで、社員は「どこを伸ばせばいいか」「何を頑張れば待遇が上がるのか」が明確になり、努力する。それが会社の業績に繋がり、業績が自分の待遇という形で返ってくる。社員にとっての“本当の幸せ”を再現できているなと思いますね。
ー識学の中で特に共感した考え方は?
「組織はフラットではなく、明確な指示系統(ピラミッド型)が必要」「ルールは明文化され、期限が明確であること」この2点です。これにより、“誰が言うかによって内容が変わる”という属人的な環境がなくなり、生産性が向上しました。属人化には良い面もありますが、企業の継続性と成長を考えると大きなリスクです。仕組み化は、スタッフにとっても「迷わない環境」という意味で非常に優しいと感じています。

ワークを整えてこそ、プライベートは豊かになる
ーワークライフバランスについて、どう感じますか?
昨今の「仕事をしすぎるな」という声には正直違和感があります。ワークが整っていない状態でライフに入ると、プライベートは“逃避”になりますから。逆に“仕事という土台”が安定すると、ライフは安心して楽しめる。ライフを整えるためには、まず働き方を整えることが必要なんです。
ー成果を出したことで、私生活は豊かになりましたか?
確実に豊かになりましたね。もちろん給与も上がりましたが、それ以上に「何かに挑戦したい」と思う機会が増えました。自分が成長することで見えてきた景色だなと思います。部下に安心して仕事を任せられるようになったことで、プライベートの時間が仕事に引っ張られなくなった。その時間を今まで見えていなかったコミュニティに使えて、視野が広がりました。そこから得られた情報や知識を今後はワークの方に生かせるという、いい循環になっています。
働き方を整え、業界の未来を引き上げる
ー5年以内の目標を教えてください。
それはもちろん「社員の平均年収を500万円にすること」です。そのためには、社員全員が迷わず成長できる教育体制を整えることが欠かせません。店舗が増えると、それぞれのルールはうまく機能していても、社員が店舗をまたいで動くときに責任の所在が曖昧になる場面があります。実際、これまでは店舗ごとにルールも育成方法も少しずつ違っていました。だからこそ今は、ルールや育成の仕組みを全体で統一し、“仕組みで伸ばす組織”に変えていくことが重要だと感じています。
ー素敵な目標です!では、10年後はいかがでしょう。
「25館・100億円の企業」ですね。この数字は、ただ“自分たちの会社だけが大きくなる”という意味ではなく、“旅館業の地位向上のために必要なスケール”という意味です。人に癒しや感動を与える業界なので、そこで働く人たちのお給料や待遇も底上げしたい。私は現在、会社のナンバー2として、このビジョンを実現するための礎を築くことが使命だと感じています。会社にも地域にも育てていただいた。その恩返しとして、今度は自分が成長し続け、社員を育て、より良い形で会社や地域、社員たちに貢献していきたいと考えています。


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