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職場での「注意」を受け入れてもらうためには、「順番」が重要である

部下がなかなかいうことを聞いてくれない。
何度も同じミスをする。
どうも真面目に捉えていない。

ビジネスパーソンに欠かせないのが、社内や客先とのコミュニケーションです。しかし、こんなふうに悩んでいるビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。

仕事上では、相手に注意をしたり、直してもらったりするシーンが出てきます。マネジャーともなれば、部下の指導をしなくてはなりません。パートナー企業に訂正依頼をすることもあるでしょう。

残念ながら「全部思ったように自由にやって大丈夫」といって、その結果を丸々受け入れられるほど、ほとんどの現場は甘くありません。社内やクライアントの要望により訂正するシーンは、いくらでも出てきます。では、直しを指摘するときにどうするか、です。

 

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仕事につきものの「直し」をどう捉えるか

 

かつては厳しく「ダメ出し」をして、怒鳴ったり叱ったりするだけでよかった時代がありました。しかし、これがどんどん難しくなっています。

今はどの会社でも、全社員が「正社員としての教育」を受けているわけではありません。社内には、正社員だけでなく、契約社員・派遣社員・外注のパートナーとさまざまな人が入り乱れ、さらにはプロとアマチュアの境が曖昧になりました。外国人スタッフもいるかもしれません。

正社員の部下にしても、下手に叱るとパワーハラスメントでだと訴えられてしまうこともある状況です。

昨今、Googleが「クリエイティブな仕事のためには、心理的安全性が重要だ」と言い出して話題になりました。要するに、特に、クリエイティブに働くためには、「何を言っても怒られたり馬鹿にされない」という安心感が重要だというのです。

こんな「注意」に対する逆風が吹くなか、果たして
「どうやって部下を指導するか」
「そうは言っても、褒めているばかりじゃ無理だろう」
と頭を悩ませているマネジャーもいるのではないでしょうか。

 

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「ほめちぎる教習所」が成果を伸ばしたのはなぜか

 

そんな中、「ほめちぎる自動車教習所」が話題です。

「褒める」をはじめて、卒業生の検定合格率が増え、生徒が3倍になったばかりか、しっかり成果が上がっているーーつまり、卒業生の事故率が半減したというのです。以下はダイヤモンド・オンラインの記事の抜粋です。

運転技術の向上は、しっかりほめて認めてあげる。安全に関することは、しっかりと注意をする。そして、順番を大切にしています。まずは、「ほめる」ところから入っていく。
どんな小さなことでも、当たり前のことでも、まず「ほめる」。

シートベルトを締めたら、そこで「すごい、ちゃんとシートベルト締めたね」「おお!今の後方確認のタイミング、バッチリやね!」とほめる。
 そして、改善点があれば、「惜しいのが…」と続けていくのです。[1]

この記事では、8割褒めて、2割注意するーーが重要とも書いています。

思い出したのが、マレーシアのインターナショナル・スクールの先生たちです。やはり最初に先生たちが子供を褒めまくるのでびっくりしました。

そして、よく見ていると、自動車学校と同様に、先生たちは日本の学校に比べてもかなり厳しい面を持っています。しかし、子どもは「先生は自分のためを思ってくれている」と主張していました。

どうやら、受け手が「自分のための注意だ」と認識するためには、順番が大事なのです。

上記のダイヤモンド・オンラインの記事を執筆したのは、西村貴好さん。彼は、「褒めること」をテーマにした活動をしており、「一般社団法人日本ほめる達人協会」の理事長でもあるそうです。

 どれだけ正しいことでも、いきなり厳しいことを伝えると、相手の心の中に「知覚的防御」が生まれます。この人の言葉は私を傷つけると脳が判断して、意識の中に入っていかない、記憶に残らないようにしてしまうのです。いわゆる、「心のコップが下を向く」という状態です。[2]

つまり、「褒める」先生はおそらくテクニックとして「褒めて」いたのかもしれません。

 

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誰がいうか、どの順番でいうかで相手の心理が変わる

 

そうはいっても、「部下を叱らなければいけないシーンもあると思うんです。褒めてばかりでは仕事になりません」と言うビジネスパーソンもいそうです。

西村貴好さんが執筆した「ほめ下手だから上手くいく「ほめられない」を魅力に変える方法」には、こんな一説がありました。

「ほめる」「叱る」どっちが大事か、この問題よりも重要なポイントがあります。それが前述した、その言葉を「誰が言うか」ということ。[3]

つまり、最初に「心理的防御」が働いた相手からの言葉は受け取りにくくなり、「信頼できる」と感じた相手からの言葉は受け取れるということです。

あなたも、嫌いな上司から小言を言われると全く耳に入らないのに、恩義のある上司から言われた言葉は、なぜか真摯に受け止められる、そんな経験がないでしょうか。自分が言われた身になって考えてみると、「なるほど」となるかもしれません。

同じことを言われても普段の関係性や、相手をどう思っているかで受け取り方は大きく違います。それに、心にも思ってないことを口先で「褒め」ても、相手には大して伝わりません。

この「誰が言うか」に関しては、人間力における「誰が」という点と、関係性における「誰が」という2点があります。[4]

つまり、言う側の「人間力」が非常に重要になってきます。

 

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見張られているのか、見守られているのか

 

この本にはもう一つ、非常に興味深い例が出てきます。

ある焼き鳥チェーン店では、かなり厳しくアルバイトを叱っているのですが、アルバイトの側からは
「この会社は、私たちを見張っているのではなく、見守ってくれている」
と賞賛されています。
筆者がこの会社を筆者が観察してみてわかったことは「ポジティブ・フィードバック」があることです。

アルバイトスタッフの行動に対して常に添えられている「評価」と「感謝」と「共感」の声がけ、ポジティブ・フィードバックです。[5]

つまり、普段の「注意する側」の態度により、部下の側が「見張られている」と感じるシーンと、「見守られている」と感じるシーンがあるというのです。「順番」や普段の声かけによって、ちょっとした注意の受け取り手への印象が大きく変わります。

これは私も経験があります。雑誌の編集部にいた頃に強く感じたのはこの「守ってもらっている」感じでした。

読者に誤りを指摘される前に、編集者や校閲部が助けてくれるーーそんなポジティブなイメージでいると、職場は助け合いの場所に見えてきます。

先のインターナショナル・スクールでも、先生たちは挨拶を欠かさず、ちょっとした生徒の仕草を見つけて褒めていました。
私は「褒めるところを探すのがうまいなぁ」と思いましたが、これが「見守られている感」につながっていたのかもしれません。

しかし、「見守られている」感じにつなげるためには、普段からの密接なコミュニケーションと人間力が、欠かせないのです。

 

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参照

[1][2]ダイヤモンドオンライン
「ほめちぎる自動車教習所」少子化でも生徒数3倍増の理由
https://diamond.jp/articles/-/231824
[3]-[5]「ほめ下手だから上手くいく「ほめられない」を魅力に変える方法」
西村貴好:一般社団法人日本ほめる達人協会理事長 (ユサブル)

 

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