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【なぜ変わった?】クレヨンしんちゃんとドラえもんの声優交代の違いから学ぶ「リスクマネジメント」

2018年7月に人気アニメ「クレヨンしんちゃん」の主人公の声優が交代しました。これだけの長寿番組ですと「イメージが崩れる」などのバッシングが起きるところですが、ネットはとても静かです。

今回のクレヨンしんちゃんのケースから企業マネジメントの手法を学んでみましょう。

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ドラえもんの声優交代は不評だった

ドラえもんの声優交代は不評だった

アニメの声優交代の難しさが露呈したのは、2005年の「ドラえもん」のケースです。声優を元に戻してほしいという声が何年経ってもやまず、新しい声優たちが苦しみました。バッシングが起きた理由としては、次の2点が挙げられます。

1:ドラえもんやのび太君、しずかちゃんなど主要キャラクターの声優を一気に代えたことで大きなインパクトを与えてしまった
2:声優が代わったというより、番組全体が変わった印象を視聴者に与えてしまった

同様に、クレヨンしんちゃんでも、主人公のしんのすけの声優の矢島晶子さんから小林由美子さんに代わるという大変革が起きました。

しかしネットの声の多くは、降板する矢島さんへのねぎらいと、新任の小林さんへの期待でした。

 

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クレヨンしんちゃんの声優交代が炎上しなかった理由

クレヨンしんちゃんの声優交代が炎上しなかった理由

批判が起きなかった要因は、以下の5つが考えられます。

  1. 矢島さんの降板理由が「しんのすけの声を保ち続けることが難しくなった」と公表され、ファンに「やむを得ない」という気持ちが芽生えた
  2. しんのすけ以外の声優は代わっていない
  3. 後任の小林さんはアニメファンには知られた存在だった(安心感があった)
  4. アニメを現役で見ている子供たちは、声優交代にあまり動じない
  5. 交代を過度に惜しむのは、いまはそのアニメを見ていない「やや大人になった」人たちで、当時の思い出が壊されると感じて批判してしまう

企業は声優交代事例から何を学ぶべきか

企業は声優交代事例から何を学ぶべきか

さて、声優交代の事例から、学ぶべき7つの要素をマネジメントで使えるように翻訳してみましょう。

  1. 社長や経営陣、上級管理職まで一気に交代させるとインパクトが大きくなる
  2. 人員交代が企業カラーに影響を与えると経営に悪影響が起きる
  3. インパクトが大きい人員交代が起きても、交代理由に納得できるとインパクトを和らげることができる
  4. 社長が交代してもそれ以外の経営陣は代わらないことはリスクヘッジにつながる
  5. 後任社長に安定感があるとカリスマ社長の退任リスクを軽減できる
  6. 社長交代についてステークスホルダーたちはそれほど動揺しない
  7. 社長交代を過度に批判するのはいわゆる過去の人たちや外野の人たちで、その多くは無視できる存在

こうした視点を持ちながら、企業マネジメントや組織マネジメントについてみていきましょう。

社長交代のリスクのマネジメント

企業にとって社長交代は大きなリスクをはらんでいます。

例えば2017年3月6日、デパートの名門、三越伊勢丹ホールディングスが社長の退任を突然発表しました。マスコミでは、社長と会長の不仲説などが報じられました。

このような動揺を、市場は歓迎しません。同社の株価は社長交代の前後で約9%も下落しました(3月3日1,436円→3月8日1,311円)。

これは私見ですが、そこで社長交代を検討している企業は、声優交代問題から学び、次のような対策を取ることが有効であることがわかります。

  • 社長を交代するときは、専務や常務などは代えない(専務や常務を社長に昇格させることは問題ない)
  • 社長交代の理由を金融機関、取引先、顧客、従業員、株主などのステークスホルダーたちに早期に丁寧に説明する
  • 後任社長の能力も併せてアナウンスする

まずは関係者の間に「社長交代はやむを得ない」という雰囲気を醸成する必要があります。そのためには社長自身が、自分の退任が企業の発展に寄与することを説明したほうがいいいでしょう。肉声が重要です。

カリスマ社長の退任は深刻な実態を招きかねませんが、それでも退任発表から実際の引退まで期間を空けることで、ステークスホルダーたちの喪失感を減らすことができます。

そしてより重要なのが、前社長の方針を継承するにしても刷新するにしても、新社長の安定性をPRすることです。
新社長が抱負を述べると必ず批判が起きます。前社長の方針を継承すれば「新しいことをしないのか」と言われます。

例えば、新社長の就任のあいさつで、前社長のことばかり言及し、経営陣も刷新せず、組織改編にも手を付けないと、社員や顧客、株主は落胆するでしょう。

かといって刷新しすぎれば「前社長をないがしろにするのか」と言われます。

例えば、前社長が進めていた海外進出を新社長が中断したり、リアル店舗の拡充を進めていた前社長に対し、新社長がネット通販を強化したりすると、社内外が混乱するでしょう。しかしこれも私見ですが、新社長や新社長を支える経営陣は、そのような声に動じないほうがいいでしょう。なぜならそのような批判は得てして無責任な感情論でしかないからです。

ただ当然ですが、新社長と経営陣はなるべく早い時期に、目に見える形で成果を出す必要があるでしょう。

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エース社員の人事異動リスクのマネジメント

交代ダメージは、何も社長交代のときだけの問題ではありません。エース社員を人事異動させるときも、組織に動揺が走ります。企業は、エース社員の人事異動リスクも制御する必要があります。

このような事例があります。

その会社の東京本社の営業部に、20代後半の、社長賞を3回獲得しているエース営業マンがいました。その人をAさんとしておきます。
Aさんは偉ぶることなく、上司には謙虚に接し、後輩社員の面倒見もよいと評判です。ただ人事部は、社長が年功序列を重んじていることから、Aさんを同期より早く出世させることを躊躇していました。

しかしAさんは、自分は成果を出しているのだからそれなりの報酬がほしいと考えていました。人事部はAさんの気持ちを知っていて、Aさんが退社してしまうのではないかと心配していました。

そうした報告を受けていた社長は打開策として、札幌営業所に異動させつつ、副所長に昇格させることを決めました。副所長は課長級で、Aさんは同期のなかでは最も職位が高くなります。

しかし札幌営業所は本社より格下の組織なので「Aさんのスピード出世」色を薄めることができます。

ところが、この人事案に本社営業部(Aさんの元の職場)と札幌営業所(Aさんの新しい職場)が動揺しました。
本社営業部は、Aさんを失うことによる戦力ダウンを恐れたのです。一方の札幌営業所は、所長以下全スタッフが「Aさんのようなエースが来たら自分の仕事が奪われる」と戦々恐々としたのです。

この事例からわかるとおり、エース社員の人事異動は、エース社員が居た部署とエース社員を迎え入れる部署の両方に衝撃を与えます。
エース社員の元の職場は、稼ぎ頭を失う損失を抱えます。

 

一方、エース社員の新しい職場のスタッフたちは、自分たちの仕事がエース社員に侵害されるのではないかと懸念します。

つまり元の職場も新しい職場も、エース社員の人事異動を歓迎しないという現象が起きるのです。

ドラえもんの声優交代では、社長や経営陣(ドラえもんやのび太君)だけなく、エース社員(ジャイアン、スネ夫、しずかちゃん)も代えてしまいました。

社長交代とエース社員交代という2つのリスクを抱えてしまったら、リスク制御が破綻するのは当然といえば当然です。

そのため企業でエース社員を人事異動させるときは、「上」や「下」が安定しているときに実施しましょう。「上」とは社長や経営陣のことです。経営体制が安定していれば、エース社員異動の騒動も、短期間で鎮静化させることができます。

「下」とは、エース社員より若い社員のことです。エース社員の異動は、元の職場の若手社員にとっては新しい仕事を獲得するチャンスですし、新職場の若手社員はエース社員から仕事を学ぶことができます。向上心のある若手を育成しておくと、エース社員の人事異動リスクはマネジメントできます。

炎上マネジメントは情報公開がカギ

いま、消費者たちのコンプライアンス意識が異常に高まっています。企業は強い倫理観を持ち常に正しい行動を取っていないと、バッシングや炎上や吊るし上げを受けてしまいます。

きわどいユーモアテレビCMを出したりや社長の謝罪会見が遅れただけで、あたかも悪徳企業のように言われたり書かれたりします。

このような炎上を回避するためにクレヨンしんちゃんの野原しんのすけ役だった矢島さんは、次のようなコメントをマスコミに発表しました。

「27年間、『嵐を呼ぶ5歳児』と一緒に過ごしてまいりましたが、このたび、野原家から離れることに致しました。理由は、しんのすけの声を保ち続けることが難しくなったためです。長い間、皆さまに親しんでいただき、本当に感謝しています」

引用:時事通信

このコメントのポイントは、声を保ち続けられなくなったことの告白です。しかしこの「犠牲」があったからこそ、ファンの納得が得られたともいえるのです。

企業が問題を抱えたときも、隠そうとしたりトップが保身の姿勢を示したりすると、批判が強くなります。企業も自社に不利な情報こそ積極的に公表したほうがいいでしょう。

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まとめ クレヨンしんちゃんの声優交代に学ぼう

まとめ クレヨンしんちゃんの声優交代に学ぼう

アニメは子供向けにつくられていますが、巨大なエンタメ市場の重要コンテンツでもあるので、制作サイドのリスクマネジメントは一般ビジネスでも参考になります。

クレヨンしんちゃんの声優交代でも、「無風」でやりすごすことができた手腕は学ぶところが多いといえるでしょう。

 

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