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「営業が辛い」と思ったら?トップセールスマンのマインドセットの特徴に学ぼう!

営業がなければビジネスは成り立ちません。
その営業を支えるセールスパーソンに必要な資質は、打たれ強いことと楽観主義。


拒絶される、断られるところから始まる仕事、相手から歓迎されるとは限らない職種です。
断られる度に落ち込んでいたら、前に進むことができません。
では、彼らはそこからどのようにして立ち直っているのでしょうか。
どのような価値観でタフな仕事に取り組んでいるのでしょうか。

アメリカ在住のジャーナリストのフィリップ・デルヴス・ブロートンは、世界各国のさまざまなトップセールスマンを尋ね歩き、彼らの様子を観察し、対話を重ねて、彼らがなぜトップセールスマンであるのか、その秘密に迫っています *1。

自分のやっていることに意味が見いだせない、人間関係がうまくいかない、あの人に嫌われているような気がする・・・。
人はさまざまなことで悩み、心折れそうになります。
トップセールスマンのマインドセットは、そんなとき、きっと心の持ちようにヒントをくれる筈です。

 

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 自分の仕事に意味を見いだせないとき

 

来る日も来る日もルーティンをこなしているうちに、仕事の意味を見失ってしまった―こうした経験が全くない人の方が珍しいかもしれません。
その結果、仕事に対する意欲も持てなくなってしまった。
自分が取り組んでいる仕事に何の意味があるのだろうと考え込んでしまう。
そんな問題から考えてみたいと思います。

トップセールスマンは自分の仕事をどう捉えているのでしょうか。

 

~売り込みか奉仕か~  [1]

セールスパーソンと聞いて、次のようなステレオタイプ的イメージを思い浮かべる人がいるかもしれません。
顧客をうまく言いくるめて、顧客に必要がない、顧客が欲しがってもいないモノを、自分の利益のために、できるだけ高く多く売りつける人。
よくトップセールスマンはイヌイットに氷を売ることができる人だと言われますが、そうしたイメージです。

セールスは極めて属人的な側面をもちます。
そのため、セールスを成功させる方法論は一通りではありません。
セールスパーソンの価値観、方法論、姿勢は人それぞれで、実に多様です。
それでも、ブロートン氏の取材したトップセールスマンは口を揃えてこう言いました。
「イヌイットに氷を売るなんて、ナンセンスでやる意味がない」

こんなことを話す人もいました。
顧客の話をじっくり聞き、顧客の心理的欲求を探り出し、それを顧客に提供すること、それがセールスだ。
セールスパーソンは自分の仕事を通して顧客に満足をもたらし、それと引き換えに利益を得るのだ。
つまり、セールスパーソンと顧客はwin-winの関係だという捉え方です。

そう考えると、ショップでの店員の「強引さ」は、顧客の欲求を引き出すための努力と解釈すべきだということになります。
強引さは、顧客の欲しているものを探り出し、それを顧客に提供しようとする、店員の熱意であり善意であるのだと。

これに当てはまる事例をみてみましょう。
アメリカ大手生命保険会社の日本支社に所属する、年収1億円以上の外交員の話です。
彼が最初に取った契約は、自身と配偶者の両親からでした。自分にとって一番大切な人が買わないようなものを他人に売るわけにいかないというのがその理由です。

彼の売り込みは以下のようなものです。

生命保険は2つの夢に関わるものです。
まずは悪夢です。あなたが死んだら家族が困ります。お子さんは大学に行けなくなります。奥さんは路頭に迷います。車や家といった資産には保険を掛けるのに、人生に掛けないのはなぜですか? 父親には少なくとも家と同じくらいの価値があるのではありませんか?

もう1つはいい夢です。生命保険に入れば、お金が残せます。家族が独立して保険がいらなくなったら、現金を受け取ることにすれば、掛け金の7割から9割は戻ってきます。年を取ったとき総額が一括でもどってくればありがたいでしょう?

セールスは顧客に利益をもたらすという価値観が、この売り込みにはっきりあらわれています。

こうした捉え方は自己欺であると指摘する研究者もいます。
先ほどセールスパーソンにまつわるステレオタイプについてみましたが、そこにはモラルの問題が潜んでいます。
イヌイットは氷には不自由していません。そのイヌイットに氷を売りつけるのは、売り手の利益だけを考える行為です。
そうしたモラルの問題に目をつぶり、「見て見ぬふり」をすることで、売り込みと奉仕は矛盾しないと自分に信じ込ませているという指摘です。

こうした指摘をどう捉えるかは難しいところですが、意味付けによって仕事の受け止め方がガラリと変わる可能性があることを、この事例は示しています。

 

~イエス・キリストもセールスマン?~ [2]

1923年、社会学者のソースティン・ヴェブレンは、商業的なセールスマンのルーツはキリスト教の宣教活動だと述べています。
実際、19世紀のアメリカでは、セールスパーソンの一団が組織されていましたが、そのセールス方法は布教活動を行う宗教団体をお手本にしていました。

1925年には、ブルース・バートンという広告会社の重役が、『誰も知らない男 なぜイエスは世界一有名になったか』を著しました。
その本の中で、彼はセールスと宗教を結びつけ、イエス・キリストを非常に優秀なセールスマンとして描き、物議をかもしました。
比類ない信念と忍耐力を持ち合わせたキリストは、永遠に成功し続ける組織を創り上げた、それは史上最大の成功物語だというのが彼の主張でした。

このように、セールスをより広く、
「自分の思いを相手に伝えて相手の心を動かして行動を起こしてもらうこと」
と捉えるとしましょう。
すると、トップセールスマンは、
「困難だが価値ある使命のために最善を尽くす高潔な人間」
ということになります。

南アフリカで平和的な政権交代を行ったネルソン・マンデラは、
「生まれつきの営業マン」
と称されていました。
共感力がありながら強引すぎず、強い自我を持ちながらも脅迫的でない、稀有のコミュニケーション能力と交渉術を身につけていたからです。
ダライ・ラマも同様に、その「営業力」が高く評価されています。

つまり、問題は、理念が正しいかどうかであって、セールスそのものではないということです。
このように、視点を変えることによって、今取り組んでいる仕事の意味がこれまでとは変わって見えることがあります。

もし、仕事の意味を見失ってしまったときには、このように新しい視点を取り入れて、見直してみることが打開につながるかもしれません。

ただし、仕事を見直してみて、万が一、今の仕事に対する疑問の根が理念やモラルにあると気づいたら、それは全社的な問題なので、個人で抱えるべきではないでしょう。

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 人に嫌われていると思ったとき  [3]

 

人と接するときは誰でも相手にどう思われているか気になります。
顧客との交わりの中で仕事を遂行するセールスパーソンにとって、顧客にどう思われるかは仕事の根幹にかかわる問題です。
そのため、セールスパーソンの4割は売り込みへの不安を感じるといわれています。
では、彼らはどうやってその不安を解消しているのでしょうか。

 

~目の前の状況から自分を意識して切り離す~

顧客に嫌われていると思ったとき、トップセールスマンはどうするでしょうか。

まず、自分を否定するような考えやそれにつながる出来事を特定することが大切だと彼らはいいます。
どのような状況で、何をだめだと思ったのか、それを具体的に洗い出すのです。
次に、なぜそう思うのかを自分に説明した上で、第三者になったつもりで、その説明を客観的に見直してみる、そういう方法が有益です。

例えば、顧客の気持ちがこちらに向いていないと感じたときに、それは本当に自分を嫌っているからだろうかと考えてみる。
あるいは、廊下ですれ違った上司が自分に気が付かない素振りを見せたとき、それは本当に自分のせいだろうかと考えてみる。
もしかしたら、その理由は他にあるのではないかと探ってみるのです。
すると、次のようなことが頭に浮かぶかもしれません。

もしかしたら、顧客は自分の子どものことで何か問題を抱えているからかもしれない。
顧客の会社でなにか揉め事が起こっているのかもしれない。
上司はペットの死を知らされたばかりなのかもしれない。

顧客の気持ちがこちらを向いていないと感じたのは、あるいは上司がすれ違っても自分に気づいてくれなかったのは、自分への感情が原因ではない可能性もあるという気づきです。

仕事で失敗したら、それで人格を否定されたことになるのか。
そうでなければなぜそれほど傷つくのか。
必要以上に高い成果を上げなければならないと思い込んでいないか。
そんなふうに省みることも必要です。

ストレスの多いセールスの仕事では、前向きでないと成功できません。
人は不安にかられたとき、うまく行っていることよりも、うまく行っていないことに目を向けがちですが、セールスはうまく行かないことの方が多いので、後ろ向きの見方や解釈はタブーです。

出来事を大げさに捉え、ひとつでも間違いを犯してはならないと思い込み、なんでも自分に結びつけて、うまくいかないのは全て自分のせいだと思い込む、そんなネガティブな姿勢や不合理な思い込みは、いい結果には結びつきません。

そうした状況に陥らないために、目の前の状況から距離を置き、自分をそこから意識して切り離し、客観的に分析する―そうした方法をトップセールスマンは実践しているのです。

トップセールスマンが自身の仕事をどう捉えているのか。
ネガティブな感情に支配されそうになったとき、どのような方法でそれを回避しているのか。
タフな世界を生き抜いている彼らのマインドセットは、心折れそうになったとき、立ち直るためのヒントを与えてくれるに違いありません。

 

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参照
*1
フィリップ・デルヴス・ブロートン著 関美和・訳(2013)『なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか』株式会社プレジデント社(Kindle版)

以下、すべて 上記 *1の各章。
[1] ・第3章 「プルデンシャル生命の一億円プレーヤー」
・終章 「売りたい。でも、嫌われたくない」
[2] ・序章
・第4章 「きわめて優秀なセールスマンとしてのイエス・キリスト」
・終章 「ネルソン・マンデラの営業戦略」
・解説
[3] ・第4章  「恐怖心から生まれる悪循環」・「目の前の状況と自分を『意識して切り離す』」

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