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【分かりやすく】「組織は戦略に従う」を動画を使いながら解説!チャンドラーの意味する経営戦略とは?

企業が存続し、成長していくには経営の目的・目標を達成させるために不可欠な戦略と組織が相互に整合性を持っていなければなりません。

戦略と組織に整合性がなければ、いくらそこに「人、モノ、金」の経営の3要素を注ぎ込んでも経営目的・目標の達成は困難です。

この戦略と組織の関係には、まったく逆の2つの相反する著名な説があります。それは、チャンドラーの「組織は戦略に従う」[1]とアンゾフの「戦略は組織に従う」[2]です。

そこで、この2つの相反する戦略と組織の関係について解説し、経営に生かせる実践的な組織マネジメントは、どうあるべきか、どうすべきかについて解説します。

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組織と戦略の関係を考えることの重要性

組織と戦略の関係を考えることの重要性

多くの場合、新規事業の開始時や会社設立時には戦略と組織について同時に議論されています。

しかし、既存事業では、多くの企業で戦略だけをとうとうと議論したり、逆に何をしたいのかがあいまいな状況のままで組織をただいたずらに変えたりしている傾向が見受けられます。

過去の右肩上がりの経済成長時代では問題ありませんでした。

しかし、今後はこのような時代は期待できません。

そのうえ、企業を取り巻く競争環境はさらに激化し、顧客の価値観は多様化し、顧客ニーズや技術の変化のスピードはますます速くなり、経営のかじ取りの難しさが増しています。

このような厳しい経営環境のもとでは、戦略に合う組織、組織に合った戦略で臨まないと企業としての存続・成長は困難です。

マネジメントの父「ピータードラッカー」も組織が有効的に働くためには「目的」と「戦略」を第一に考える必要があることを論じています。

このため、今組織と戦略の関係が今見直されているのです。

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戦略と組織の関係「組織は戦略に従う」と「戦略は組織に従う」の意味

戦略と組織の関係「組織は戦略に従う」と「戦略は組織に従う」の意味

「組織は戦略に従う」と「戦略は組織に従う」は、簡単にいえば、戦略が組織に先行するのか、組織が戦略に先行するのかの違いです。

サッカーやラグビーなど戦略的・組織的に戦うスポーツでは、戦略と組織がバラバラでは個々の選手の能力が高くても勝利することは困難です。

サッカーでいえば、勝つために必要な攻撃重視、守備重視などの戦略が先にあって、それを実現させるためにふさわしいフォーメーンション(組織)を考えるのが「組織は戦略に従う」です。

一方、攻撃能力に優れた選手が多い組織の場合は、守備をおろそかにしてでも、攻撃的に点をとる戦い方(戦略)を採用する方が良いケースがあります。これが、「戦略は組織に従う」という考え方です。

それぞれについてもう少し詳しく解説します。

「組織は戦略に従う」の意義:アルフレッド・チャンドラー

「組織は戦略に従う」の意義:アルフレッド・チャンドラー

アルフレッド・チャンドラーは、当時のアメリカを代表するトップ企業4社(化学企業のデュポン、自動車企業のGM、石油企業のスタンダード・オイル、小売業のシアーズ・ローバック)の詳細な戦略・組織研究の結果から導き出した命題が「組織は戦略に従う」です。

これらの4社が多角化、国際化して大企業に至った過程で組織がどのように変化したのかをチャンドラーは実証的に研究。

その研究結果として、事業拡大、多角化、国際化という経営戦略を効果的・効率的に成功させるには事業部制という組織が必要で、事業部制を機能させるために必要な本社機能の役割を導き出しました。

組織は何のために存在するのでしょうか?

組織は組織が属するトップの戦略目的を達成するための手段として存在します。

組織は存在することが目的ではないので、組織をどうするかは、まず戦略が先行しなければなりません。

そして、変化する環境に適応する戦略を策定し、その戦略を実行するために最適な組織にしていかねばならないというのが「組織は戦略に従う」です。

事業部制は、一定の規模以上の企業に適した組織構造ですが、「組織は戦略に従う」の命題は、すべての企業が戦略と組織を考えるときに考慮しなければならないことです。

なぜなら多くの企業が、業績が悪化すると人を含む組織のせいにして、戦略抜きで組織を変えようとするからです。

一定のショック効果はあっても本質的な組織改編ではないため効果を発揮できません。

そこでは組織が手段であって、それぞれの企業の戦略に従って決めなければならないという形態が忘れさられています。

「戦略は組織に従う」の意義:イゴール・アンゾフ

チャンドラーは1962年に「組織は戦略に従う」を提唱しましたが、それから少し遅れた1979年にアンゾフは、チャンドラーとは真逆の「戦略は組織に従う」という命題を提唱しました。

アンゾフもチャンドラーと同様に当時の企業の多角化を研究し、新規の戦略が策定されても組織の抵抗によってほとんど実を結んでいないという実態を知ります。

そこからその理由を研究。

アンゾフは、戦略が組織の変革を求めても、組織には自己防衛する本質があることや各企業それぞれが持つ組織文化(企業文化)によって戦略がちゃんと遂行されないことから、立案する戦略の内容は組織に細心の注意を払って策定されなければならないとして「戦略は組織に従う」を提唱しました。

組織は戦略の実行のための手段ではありますが、例えば今までに既存顧客とのビジネスだけで安定した業績を上げていた企業には保守的な組織文化が形成されています。

そこに状況の変化でリスクのある新規事業戦略を遂行しようと思っても保守的な組織は、戦略に沿った行動をしないで表面的には戦略に沿って頑張っているように見せかけて、実際には行動していないことが考えられます。

ここからわかるのは、理想の戦略を理想の組織で実行するのではなく、組織に合わせた戦略に修正することが大切だと言うことです。

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優先すべきは「組織は戦略に従う」「戦略は組織に従う」どっち?

「組織は戦略に従う」「戦略は組織に従う」どっち?

「組織は戦略に従う」と「戦略は組織に従う」は、真逆ではありますが、対立する考え方ではなく、企業の置かれている経営環境、組織文化などによって重点の置きかたが変わる程度です。

一般的には、「組織は戦略に従う」を優先し、戦略の推進にあたっては「戦略は組織に従う」を考慮すべきです。その理由について紹介します。

例えば、現在の経営環境が問題なければ、現時点では戦略と組織の関係は良好であると考えられます。組織を重視した「戦略は組織に従う」に重きを置いて大きな問題はないと考えられます。

一方、現状、あるいは近い将来に大きな経営問題が生じている、あるいは生じると予測されれば、それに対して「組織は戦略に従う」で、戦略を最適に遂行できる組織を考える必要があります。

いずれにしても、経営環境に応じた戦略と組織の関係を変革し続けることが企業の成長・発展に必要です。

なぜ「組織は戦略に従う」を優先すべきなのか?

「組織は戦略に従う」をまず優先すべき理由は、既に述べましたが、何らかの戦略目的を達成するための手段が組織であるからです。戦略がないところに組織は不要です。

戦略優先の事例はたくさんありますが、例えば、アップル社の製品のデザインは洗練されており、そのデザインを好む人がたくさんいます。アップル社は、デザインを重視する戦略を立て、それを実現する組織を作り、強みにして成功しています。

なぜ「戦略は組織に従う」を考慮すべきなのか?

「戦略は組織に従う」を考慮すべき理由は、これも既に述べましたが、どんなに優れた戦略でも戦略を実行する組織にその能力がなければ絵に描いたモチになるからです。

例えば店舗販売中心の企業が、通販が伸びているからといってEC事業にいきなり多額の投資をしてもノウハウ・スキルがなければ失敗は明らかなように、戦略は組織に合わせなければ失敗します。

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経営に生かす組織マネジメントの考え方

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戦略にあった組織、または組織にあった戦略で経営目的を達成する場合のいずれであっても、組織マネジメントができなければ、サッカーでいえば、ボールのみを全員が追いかけている状態で戦略を有効に遂行できません。組織を経営に生かすにはどうすればよいのでしょうか。

戦略が駄目であれば、どんなに優れた組織が、どんなに優れた戦術を使っても戦いに負ける可能性があり、戦略の重要さが説かれています。

しかし、情報化が進展し、技術の差が小さくなった現代においては、企業の戦略に大きな差が見られなくなりつつあります。

このような時代には、優れた戦略に固執するよりも、戦術を最高レベルで遂行するほうが成功の可能性が高まります。

少し、異論があるかもしれませんが、私見では日産、ホンダ、ソニーなどは同業他社に比べ、商品力に優れています。しかしそれよりも、営業力に優れたトヨタやパナソニックが業界のリーディング・カンパニーです。

商品力も営業力も戦略に裏打ちされていますが、技術に注力した独創的な製品は、戦略からしか生まれません。しかし、強い営業力は戦略を遂行する徹底的なしつこさのある組織の戦術からも生まれます。

どんなに優れた戦略よりも、まずまずの戦略を完全にこなせる組織マネジメントが重要です。経営に生かす組織マネジメントを紹介します。

組織の3要素の定義、組織開発と変革のための7Sとは

組織の3要素の定義、組織開発と変革のための7Sとは

バーナードは、組織とは以下の3要素を持っていると述べています。[3]

  1. 組織に共通の目的をもっている
  2. 組織の構成員がお互いに協力する意志をもっている
  3. 情報共有のために円滑なコミュニケーションが取れる

この3要素が欠けていないか、不十分ではないかをしっかりマネジメントできないと戦略・戦術を効果的に遂行できません。

また、組織は戦略に合わせて、あるいは戦術に合わせて変革をしなければなりません。このとき、組織の一部だけを見て対症療法的に組織を変えても成功しません。

組織が持つ要素のすべてが、同じ戦略に向かって連携が取れている必要があります。マッキンゼー社が提唱する7Sモデル[4]は、組織の全体像と要素間の連携を捉えるための有効なフレームワークです。

マッキンゼー社が提唱する7Sモデルの「7つのS」とは以下です。

  • 戦略:競争優位性を維持するための事業の方向性
  • 組織:組織の構造
  • システム:人事評価、会計制度などの仕組み
  • 価値観:社員全員が持つ会社の価値観
  • スキル:組織の能力
  • 人材:社員や経営者など人材の能力
  • スタイル:社風や、組織の文化

これらは相互に関係しており、変革を効果的に行うには連携を考慮したマネジメントが必要です。

実践的で経営に生かせる組織であるために必要な3つのこと

企業は、戦略策定や組織の変更に多くの時間を割いています。重要なことではありますが、多くの企業でその結果が実を結んでいない現実があります。

一般的に議論は、「戦略が間違っている」「この分野を強化すべき」「売上が足りない」「社員のモチベーションが低い」「組織内や部門間のコミュニケーションが不足している」「営業力が不足している」から、戦略や組織を何とかしようとして行われます。

しかし、これらの議論に多くの時間を割く前に実行すべきことがあります。それは、以下の3つです。多くの企業が以下のことをやらないで「問題だ!問題だ!」と騒いでいます。

  1. やるべきことをやってない(決めるだけで実際には行われていない)
  2. やるべきことをやり続けていない(最初だけはやるが、いつのまにか行われなくなっている)
  3. やるべきことをやるのが遅い(タイミングのあることがタイミングよくやれていない)

子どもが高校受験や大学受験で同じようなことをしています。受験に失敗する子どもは、計画は立派でも実行できていないからです。

企業の組織では、マネジメントすることで回避できます。徹底的に実行して、結果としてできないことからは効果的な対策が見つかったり、できない根本的な理由が見つかったりして本質的な対策を立案できます。

上記に上げたいくつかの理由は、とりあえずできない理由が並べられているだけで本質的な理由ではありません。上記の3つを徹底して行い、それから問題を議論することで経営に生かす組織になれます。

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まとめ 「組織は戦略に従う」

「組織は戦略に従う」

企業が存続し成長していくために必要な戦略と組織についての関係をチャンドラーが提唱した「組織は戦略に従う」と、アンゾフの提唱した「戦略は組織に従う」を紹介し、組織と戦略の関係について解説しました。

組織と戦略をうまく使いこなしましょう。

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